第2話 黙示録 彼の章


この香の辿り着く先は

貴方のあたたかな腕だろうか

それとも 冷たい指の隙間から 

零れ落ちる砂なのだろうか

走馬灯のように駆け巡る記憶は

誰をも救わぬ柱となる

貴方のふれた てのひらのあたたかさを知っている

茨の棘を 心に持つことも

その棘で傷つけられることも厭わない

振り下ろす断罪の刃は

凍らせた心もろとも滅する斬撃の光

あの香を辿ることを 貴方は許さない 私には許されない

でも 一度だけ許されるのなら

あたたかかった あのてのひらに ふれてみたかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る