under the rose 第8話 鬼の章

愛する人を失ったもの 

鬼となりて修羅道に堕ちる

夜叉の如き鬼神

その絶望とどまることなく

無限の業火に焼かれ

全てが沈黙するまで滅し尽くす

漆黒の審判者となる


闇の中に ぽっと小さな明かりが灯る

貴方のもとに還るみちゆきを辿りゆく

約束した空に願いを捧げる

いつか 貴方の為に咲くいちしの花

どうか 待っていて


黒き骸の山に立ち

鬼は人の仮面をかぶる

見上げた沈黙が満ちる時に

どれだけの罪もその面(おもて)に届かない

絶望に立ち尽くす鬼に 

囁くように ひとひらのはなびらが降る

まだ 諦めるには早すぎる

どれだけの滅びし罪を看取っても

夜空に咲く約束を守り通す為に


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黑の 義龍 顎 @agi10

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