2% 序盤に出てくるヤバい奴(4)


ゴロロロロロロロロロ!!

俺は洞窟の中を転がっていた。その内、ダンゴ族とかいわれそうなレベルでな。

この状態なら、ある程度の衝撃や攻撃は無効化出来るし、喰らっても大したことはない。



『なんていったって、コイツのDFEは脅威の255Pだぜ!?』



データ上では転がるメタルスライム!

スピードだって負けちゃいない!!

それはそうと、今いるこのフロアだけだが大部分のマップが埋まっていた。

どうやらこの上層部にいるボス級の敵は二種類で、闘鬼バルカとザトウヌシ、その二体だ。

コイツらを筆頭にスタルタス種やペンドピード種、今使ってるダンゴムシのような派生系統が群れをなしている。



『良かったよ、あれが雑魚クラスの敵じゃ無くてよ』



【パンパカパーン!!】



うおっ!暗い洞窟内で唐突になるその声に俺は驚いた。

割と音量ミスってるレベルでうるさいんだよなこの声、はははは。

そう思っていると、ファンファーレは続けてアナウンスを始める。



【バルガー山脈 最上層のマッピングを達成しましたよぉ!流石ですよぉ......スゴイですよぉ!!】



だが、なんだかんだで褒めてくれるこのシステム、アリだと思ってしまう自分がいた。

もう一つ、これのお陰で判明したことがある。



『ここ、最上層なん?』



ずっと三層構造だとばかり思っていた。上層、中層、下層だ。しかし、この言い分だとそれは違うらしい。

え?じゃぁ......あと上層、中層、下層、最下層みたいな構造になってるってことぉ?

それぞれの層でボスがいるってことぉ?

バルカはあの場所でずっしり待ち構えているし。



『ザトウヌシは......移動出来るのか?だとしたらヤバいでしょ!』



アイツが移動できるような空間はなかったと思う。

実は隠れた階層があるんですよねぇ〜!!って展開はやめてくれよ!?いや、ゲーム的な思考でいえばそれは全然あり得るから怖い。

俺はマップを埋めると、そのまま通路を引き返す。

やはりあのダンゴムシが奥にいって帰ってきたように、奥には特に目立った空間もボスのようなシンボルも存在しなかった。

ゴロロロロロロロロ。

そんな音を掻き立てながら、例の分岐へとようやく戻ってきた。



『よーし!下に参りまーす!』



用の済んだ最上層を後にする。

左右の分岐を今度は左、坂になっている下層への道をゴロゴロと進んでいく。

ズズズズズズズズ......!!

降りた途端!何かが這いずる音がした。

周囲の岩盤がパラパラと土埃を立てている。

近い。

蛇か?いや、違う。これは...!!



ピロっ!


【千の脚を持つ者 脅威度 不明】



それはムカデの最終進化だった。

脅威度は不明。俺が観測できないレベルの強さだった。

全体図が見えないほどの巨体。



『ど、どう進めばいいんだ......?』



前門のムカデ、後門のザトウヌシ。

頭は見えないが、あからさまに硬いであろう奴の胴体が、今、俺の目の前を走っていた。

俺はコイツが通り過ぎるのを待った。

気づいているかどうか不明だが、幸いにも眼中にはない様子だ。

しかし、ゲームならここで遊ぶ所だ。



『俺、ダンゴムシ、まるまる、体当たり。敵、弱点、頭、赤い......いや、頑張ればいけんじゃね!?』



その構図はよく知っている。

奴の大きな赤い頭に、俺の渾身の体当たりを三回食らわせれば勝てる計算が脳裏に浮かんでいた。

絶対そんなはずは無いのだが、何故か俺はそれを無性に試したくなった。

だから俺は......!!



『ドス......ゴロロロロロロロロッ!!おら、行くぞぉ!!』



奴の背に乗って走った!!

速さは俺の方が一枚上手。ステータス的にはこのダンゴムシはおっそいが、それは通常形態の話だ!

コイツは丸くなると、恐らくはスキル≪弾丸移動≫の隠れた効果でクッソ速くなる!!



『まさに弾丸のようにな!』



それを加味すれば、いくらボス級の化け物だとしてもある程度追いつける。

ゴロロロロロロロロ!!

先が長い。

いつまで走り続けるのだろうか?

そんなレベルで.........長い。

ゴロロロロロロロロ!!

え、どこまで行く...?違うな。奴の速度が上がった...?



『ああそうかい!負けるかよ!!』



弾丸レーシングの開幕だ。相手はでっけぇレース場のムカデ。

ズズズズズズズズ!

ゴロロロロロロロロ!!

ズズズズズズズズ!!!

ゴロロロロロロロロ!!!!

無我夢中で俺は奴の背中を走る。

コイツの艶のある体表は滑りやすく、上手く走れない。しかし、衝撃や段差を上手く利用して、それを上回る加速を手に入れていく!!

加速!加速!加速!!

赤い小さな点が、俺の高速で回転する視界に入った。

点が段々と大きく、ハッキリと複眼に映る!!

間違いない、ゴールテープの触覚だ!早速一発喰らわせてやろう!

ビョーンとその勢いで飛び跳ねると、弾丸移動を下に適応して一気に降下する!



ガチンッ...!!


≪...-0...≫



勝ったか!?いや、堅っ!!ダメージゼロかよ!!くそ、もう一回!!



ガチンッ...!!


≪...-0...≫



.........ゲーム感覚ではいけないよなぁ〜。

ダメージが入らない現実を痛感し、その事実に打ちひしがれる。

流石に、そんなに甘い世界ではないらしい。

バチッッ!!

突如、全身に衝撃が響いた。



≪...-50...≫



『うげッ...!!HPが一気に削れた?』



思いっきり体が吹き飛ばされる。

70PしかないHPも、残り20Pまで削られる大ダメージ!!

何に襲われたのかを確認する。



『しょ、触覚かよ!!』



そう、正体は奴の触覚だった。

その一本がウヨウヨと動き、こちらに狙いを定め放つ二発目...!!

バチン!!



≪...−1...≫



再びダメージの数値が目の前に表示された。しかし、それは俺に対するダメージではなかった。



『自滅しやがった!?』



そう、俺は回避に成功していた。しかし奴はその鞭の勢いを緩めず、自身の体表を叩いた結果になった。

そのダメージ、たったの1...!!



『どうやって倒せっていうんだ......ってまた来るなぁ!?』



バチン!!

≪...-1...≫


バチン!!

≪...-1...≫


バチン!!

≪...-1...≫



コイツ......もしかして頭が弱い?

そう思ったのが束の間、奴は体を上に持ち上げる!!

ドゴッ...!!

岩壁は奴の鱗に沿う形で跡が残り、周囲の岩肌も一皮剥けたようにパラパラっと角質を落としていた。



『いや〜これは、全然手加減されてますわ』



人が蚊と戯れるように、コイツは親戚のダンゴムシと戯れる。

間違いなく、今の俺が挑んでいい相手じゃない!!

丁度よく空いていた横穴へ逃げる!

よくよく考えたら、色んなゲームで序盤に出てくるヤバい奴を攻略しまくってたせいで感覚が狂っている気がする。

普通はこうなんだよな?

改めて一筋縄でいかないことを痛感した。



『さて...結構痛いぞ?』



痛感はなかった。いや、実際には衝撃はある。車が事故ったらその衝撃でガクンとなるあの感じだ。

当然、HPがゼロになれば強制的に追い出される。

やはり、このHPは魔物の元々のヒットポイントでは無い仮説が正しいだろう。

どちらかというと、器の耐久値がしっくりくる。

実はこれまでの実験で幾つかは検証済みだ。

俺が一度入った器は、HPがゼロになるとそのまま朽ちていく。

腐るというよりは、そのまま朽ち果てる。



『むしろ、あえて入らない選択もあるってわけだな!』



毎回語り部口調で誰も居ないのに説明するのはゲーム攻略者の定めだ。

こうやって自身に話しかけるように情報を整理すると楽なんだよ。わかる同士は〜?はい!手をあげて〜!!



『はーい!......ソロで遊ぶ時、寂しさを紛らわせる効果もある!』



そういうこともあり、このHPは恐らく回復魔法とかでは回復しない。

つまり、使い切りの器ってことだ。

だから不必要にダメージを受けた場合、それは回復できない。この器が壊れた場合、もう一度俺は不自由な暮らしに戻るってことになる!



『まぁ!必要になったらまた挑めばいいか!このダンゴムシ、ランクEだし!』



横穴を進んでマッピングを続ける。

残りHPは20だが、考えるとアイツの触覚攻撃(超最弱)は耐えることが出来たな!

多分固定ダメージか上限があるタイプ。じゃなかったら、多分だけど粉々になってると思う。



『......ん?』



先へ進むと、何やら既視感のある黒い蠢きを発見する。

虫唾が走るこの感じ、さっきのザトウヌシの巣の時に味わったな?

この先にあるもの、もう想像がついてしまった。



モゾモゾ......モゾモゾ......



そう、言わずもがなムカデの巣だ。

ムカデの親玉がそこにいたんだ。ない訳がないよな??



『って、ポーリーもいるじゃんか!!』



実はダンゴムシ、結構レアだった件。

今までで出会えたダンゴムシはコイツ一体だけ!意外と出会えない魔物なんだよ。



ぴ、ピロ!



ん?バグった?なんでちょっと戸惑った?

と思っていたが、その数に読み込みが追いついていないだけだったようだ。

目の前に、気持ち悪い数の子ムカデの名前がダダーと表示されていく。



【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


【劣等スモールペンドピード ランク不明】


--


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


【スモールペンドピード ランク不明】


--



いや、キモ......なるほど、やはり下層の方がランクは低いみたいだな。

なぜか?恐らくは孵化したてだろう。現に全部、ランクですら判別不明な奴らしかいねぇ。

あ、いや、いたわ!Eランクが1匹だけ!



ピロッ!


【ローリーポーリー ランクE】



なーんか、ボッチって感じだな。

アイツ、産まれてすぐ進化するのか?

なんでこんなに少な......あ......!!

バリバリ!むしゃむしゃ......!!そんな音を立てて、周囲の子ムカデたちが一斉にダンゴムシを襲い始めた。



『共食いが始まった......あぁ!!』



まだローリーポーリーは殻が柔らかいのか、いとも簡単に外皮を引きちぎられた。そして、群がる蟻のような数の子ムカデによって中身を引っ掻き回され、ぐちゃぐちゃに溶かされ、肉団子にされて消化された。



『ボーナス飯かよ...ダンゴムシぃ......!!』



流石に不憫でならない。

そう思ったが、その生き残りでさえ俺にいいように使われてることに気づき、それ以上いうことをやめた。

きっと、大事にしまっていたムカデの頭はそういうことだろう。奴らに抵抗し、ここから命辛々逃げ延びた優秀な個体だったのだ...!!

せめてもの救いはスキル、≪鎧纏≫のおかげで痛みもなく済む点か......グロいな、自然界。いや?一定ダメージしか引けない+無駄に堅い防御のせいで、ジワジワと削れてくパターン!?



『うわぁ......最悪』



徐々になくなる感覚と意識のなか、ぐちゃぐちゃになっていく体と捕食者を最後にログアウト。

想像するだけでゾワゾワする。

今の俺なら、正直あの数で来られても完封できる。レベルが上がるなら狩ったが、レベル上げの要素はない。



『コレも予測済みってことだろ?』



つまり、序盤でレベル99にして、最終進化で無双モードは退屈だからやめとけってことらしい。気持ちはわかる!

一応、序盤でボス級を倒さないように対策?されてある所を見るに、バランスは良く考えられている。



『自由度は最悪だけどなっ!ははははは!!』



正直今の段階だと、この世界が仮想現実だろうが異世界だろうがどうでも良かった。

ただただ目の前で起こるイベントが楽しくて、そして楽しみで仕方がない!!

ずっと同じ作業の繰り返しだった。

毎日、毎日、毎日、攻略情報とネタバレの日々に楽しみを奪われていた。

俺は、ゲームで遊びたかった。

純粋に、楽しみたかった。

ゲームの仕事で食えればいいと思っていた。でも、それが逆に、ゲームから俺を遠ざけた。

ここにそれはない。

ネタバレをしてくる輩も、攻略情報を我先に出す奴も、誰もいない!!



『俺が、俺だけが!このゲームの攻略者だ!!』



なんて、ダンゴムシが今なお目の前で食われている光景を、必死に脳裏から逃がす為にそんなことを考えてみる。現実逃避って奴。



『あぁ!まだダメだ......チラつくぅ!!キモッ!!』



この世界では思うようにいかないことが当然だとしておく。

正直物理演算が物理演算し過ぎて、今歩いている細道も崩れないとは限らない。

さっき横穴崩れたし!目の前で崩れたし!!

つまり何がいいたいかっていうと、ゲームのようにはいかねぇってこと。

ははは!さぁ、上層?このフロアのマップでも埋めるか?



ぴろっ!


ん...?



上層寄りの中層。崩れた横道の代わりの道を探そうと徘徊していたその時、マップに何かが引っかかった。



【冒険者 脅威度C】


【冒険者 脅威度C】



......人!?冒険者!?待て......!他にもなんかいるな?



【バルガーペンドピード ランクD】


【バルガーペンドピード ランクD】


【バルガーペンドピード ランクD】


【バルガーペンドピード ランクD】


【バルガーペンドピード ランクD】


【バルガーペンドピード ランクD】



......どうやらムカデの群れに襲われているらしい。

穴の影からヒョコッと、触覚と目を覗かせる。

これはキモい光景だ。人が大ムカデの集団に襲われていた。

どうやら腕は立つようで、その冒険者の周辺には、ムカデたちの死骸が結構な数落ちていた。



「レイ......ディトルゥア?」


「デ...ムァッ!!ア ノマーナ...メルク ルゥア?」


「ノ、ノア...!ノーアッ...!」



何やら揉めている。

どこの言語なのか?会話なんてさっぱり分からん。しかし、どうやら悲惨な状況ってのは伝わる。

一人は欠けた長剣を手に持つ少年だ。

青っぽい短髪で、いかにも冒険者らしい軽めの鎧。戦闘というよりは、探索しやすい装備を選んでいる印象だった。

もう一人は折れた両手杖でムカデを追い払おうとしている少女。

ブロンドのセミロングで、魔道士よりは僧侶っぽい印象だった。

白を基調とした服装はゆったりとしている。スリットからは傷つき、血が流れる白く細い脚が見えた。

あれじゃ、一人では動けないな。

彼らはかなり疲弊しているらしく、身体中が泥に汚れていた。声に力はなく、疲れ果てた様子だった。



『どうするか...助けるか?いやぁ......人、追いかけてきたしなぁ?しかし見殺しもなぁ?一応、俺アルマだし?元っていうか、本性は人だしぃ??』



イベント分岐の可能性が高い。

ここで見殺して死体を頂けば、俺は人の体を手にれることが可能だろう。しかし、それによって発生した彼らのイベントが消える可能性が高い。

イベントがある感じ、多分モブって訳じゃないだろう。

まぁ、何より?さっき俺の兄弟が貪り食われていた鬱憤も晴らしたい気分でもある......やってやるか?



「ルェ...ルェルノ...ルェルノ!!」



カツン......!振り回していた杖がムカデの一匹に当たる。

ガチガチガチ!!と牙を激しく叩き、威嚇音を上げた。

カラン...!少女は恐怖に表情が引き攣り、力が抜けたのか持っていた両手杖を落としてしまった。

隣の少年が助けに行こうとするが、自身も余裕がなく、剣も今にも折れてしまいそうな状態だった。

そのムカデは、真っ青な表情の少女に、容赦なく牙を抜き出して襲いかかった。



...ズシャァ!!



あたりに、青い体液が散った。

少女の頬が青く濡れる。諦めて瞑った目を僅かに開けると、そこにあったのは頭の潰れたバルガーペンドピードの亡骸だった。



「レ、レーファ?レ...!!」



少女は困惑した様子でそう言った。

そして、彼女は足元に丸まっていた俺を発見して絶句した。

再び体を強張らせ、警戒していた。



『敵意はないぞ』



そう声を出したつもりだが、何も音は出ない。そう、バルガーペンドピードを仕留めたのは俺だ。それは、さっきムカデの親玉にも試した攻撃だった。

≪弾丸移動≫これは移動だけでなく、副産物として本当に弾丸級の威力を発揮する。

原付だって思いっきり速度を出せば兵器そのものだろ?それの応用。

コイツは事故っても傷は付かない。

俺のランクはE、相手はDだ。されど、急所を圧倒的スピードで潰されればどうということはない。

後は、これを繰り返すだけ...!!

ズシャァ!!

ズシャァ!!

奴らも俺を敵と認識した。襲いかかるがもう遅い!!

仮にこの器がダメになろうと、変わりはそこらじゅうに落ちている!!

まぁ、機動性で優位なこいつを手放すことはしないがな?



「ハ......ハピラータ」


「メルク......ルールァ?」


「ディ...ディトルァ...ディトルア......」



冒険者はその隙を突いて逃げ出そうと試みる。ああ、それでいい。

俺がもしも魔物なら、コイツらを潰した後はお前らが標的になる。まぁ、野生界なら目の前の餌を確保して、興味を失う可能性もある。必要以上に危険な狩りという賭けをする余裕は自然にはない。



「ル...ルァ......サ、サロータ......!」



いや!?何してるの?死にたいの??

この僧侶風の少女は、どうやら俺に話しかけているらしい。

俺は関心のないふりをして、この残骸を食い漁る振りをする。振りだぞ??



「......メルク!ルァ、ミュタ......!」


「ノータ......リーム.........」



何を話してるのか分からん。2回目。

何か問題があるのか?流石に、そこまでは面倒見切れんが......ん?



「...レイ!?メルク!!...ディトルゥア?」


「ネリー!?ガイ!?マァ!!ノータ...ノータ!!」



どうやら仲間が来たらしい。

光る球のような魔法で辺りが照らされていく。



『ほう!魔法は存在するのか!』



俺はちゃっかり穴に隠れてやり過ごす。

姿は見えないが、影の数的にお迎えは全部で五人。遭難者含めて七人か......これがこの世界のパーティー人数なのか?まぁ、とりあえずはいいや。



『感動的な再会は勝手にやっててくれ』



下手に顔を出して攻撃でもされたら敵わないからな。

あの少女のペットもごめんだ。いや、悪くない条件だったが...!!

念のためにあの少女をフォーカスしておくか。もしかしたら出口が分かるかも知れないしな。

まぁ、ただ、まだ上層と中層のマッピングが完璧じゃないから、とりあえずそれを優先だな。

彼らの後についていけば人里にも着くだろうが、外に出るのは後だ。



『さぁ!そういうわけで!楽しい!楽しい!マッピング!!.........再開だな。』

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