死にゆく魔王に祝福を
@ganogatari
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≪...残り6です...≫
俺はこの攻略板の管理人だ。
世界中のゲーム、その攻略法を載せるこのサイトは世界トップであり、このサイトにない攻略情報はないとまで噂された。
そうだ、アクション、RPG、シミュレーションからMMO、VR、FD(フルダイブ)、レースにローグライク、育成、恋愛、オープンワールド、クソゲー、ソーシャルからコンシューマーまで全てを網羅している。
「今日はこれでよし」
暗い部屋の中で一人の男がそう呟いた。
毎日、同じ作業の繰り返しだった。
攻略版の管理人といっても、俺が更新できるのはごく僅かで、そのほとんどは外部で雇っているその道のプロに任せている。
プロゲーマーはいつしかプロゲームライターとしての職を確立し、配信者たちはテレビでいう、ニュースのようなリアルイベントを視聴者やプレイヤーと楽しむことに変化した。人は人と共感することを楽しむ生き物だ。
そんな俺の仕事は管理人だ。
遊んでいないゲームにも目を通す責任がある。結果、遊んでいないのに情報だけは無駄に貯まる今だ。
最後にゲームを楽しんだ日はいつだろう?
「......そろそろ退屈だな」
正直もう、金も欲も全て満たしていた。
物欲は元々ないから貯まる一方。投資にも新しい物事にも、もう......興味がない。
今日も締め切った暗い部屋で、モニターの前で更新する。
朝起きて、ここに来て、更新して、帰る。長い長いループのような人生を貪っていた。
パチッ!
入り口の方で音がした。
「うげっ!眩しっ!!」
唐突に明かりが灯され、俺の目が眩む。そういえばコイツのことを忘れていた。
≪...残り5です...≫
「もぉっ!またこんな暗い部屋で作業ですかぁぁ?」
「いや!電気代がもったいないし、モニターが見えやすくてな」
「目が悪くなっても知らないですよぉ〜?」
「もう既に悪い」
「じゃぁ尚更です!」
「はい、すみません」
彼女は同じ管理人の一人だった。
同期ではないが、似たようなものだ。
俺たちはサンドボックスとオープンワールドを担当しており、彼女は俺の補佐的な役割だった。
赤が透けた茶髪で、癖っ毛。
セミロングの髪は所々がふわふわと跳ね、ボリューム感に溢れていた。
カジュアルなゆったりとした淡い白の服とボディラインが強調された紺色の足丈まであるパンツ。
あまりそういう目では見ないが、普通にスタイルはいい方だろう。
背は低いが平均サイズで、ちょこまかとよく動く奴だ。
≪...残り4です...≫
「今日はおしまいですか?」
「ああ、とりあえず!今日はおわり!」
俺が椅子に座った状態で、伸びをしながらそう言った。
すると彼女はオフモードになったのか、気怠そうに椅子に座ると、砕けた口調で会話を始めた。
「はぁぁ〜...んしょ!今日も退屈そうですね?いつもの所で飲みます?」
「そうだな〜今日は......」
「特別に私が奢っちゃいますよぉ〜?」
「よし、行こう!」
「あはは!生きのいい魚が釣れましたねぇ〜」
ガタンと椅子から立ち上がる。止まっていた血流が流れていくのを実感する。
パソコンの電源が落ちたのを確認すると、鍵を持ってオフィスを後にした。
彼女は先に外に出たらしく、ドアを開けると待っていた。それは俺の人生の恒常イベントの中で、唯一楽しめるものだった。
「最近、面白いゲームとかありました?」
「ん〜あったかなぁ〜」
彼女が言った。俺が悩む。
二人は並んで外を目指した。彼女は俺の返答を待っているようだが、俺はまだ悩んでいた。
エレベーターに乗る。ボタンを押す。
「そうだなぁ〜特にないかもしれない」
「やっぱりないですかぁ〜あ!じゃぁ私のおすすめとかはどうでしょぉっ!」
彼女がそう言い終えると、ポーンという音と共にドアが開いた。
≪...残り3です...≫
街灯がぼんやりと光って目に映る。
もう既に夜だった。
新月だからか、いっそう辺りは暗かった。
外に出ると、彼女はその答えを言い出した。
「ん?やけに食い気味だなぁ?」
「あはは!面白いの見つけちゃったんですよね〜!」
「もう記事になってんじゃないのか〜?」
「それがまだなんですよぉ〜!まだベータ版なんですけど、もうすぐ製品版が出るゲームで......気になります〜?」
彼女はにへら〜と崩した笑顔でそういった。
俺は彼女の目を見ると、穏やかな表情で、少し意地悪な口調でこう返した。
「それは気になるなぁ〜でも、もしかしたら俺が知ってるゲームかもしれないぞ〜??」
「それはその時ですねぇ〜」
「どんなゲームなんだ?」食い気味に聞く。
「うーんと、確か......“魔王”と呼ばれた無敵の主人公が!死に場所を探して旅をする!んですけど、序盤のチュートリアルであっさり死んじゃうんですよねぇ〜あははは」
「えっ?」
知らないゲームだった。
知らない筈なのに、なぜか俺は妙な既視感を覚えていた。まさか、何かの広告でみたのか!?いや、みてないな。気のせいだ。
彼女は俺の反応を待たずとして続ける。
「あはは、そうなりますよねぇ〜。私も、最初はそのあらすじだけでえっ?ってなっちゃいましたよぉ〜」
「その後は、どうなるのか知ってるのか?」
「それは......実際に攻略してみればいいんじゃないです?」
「その反応、おぬし知ってるな?」
「さぁ〜、どうでしょうねぇ〜」
「ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃないか!」
「あはは!なんか、久しぶりに熱くなってる......さんを見ましたねぇ〜」
「ん?...そう?そうだろうなぁ〜。最近、似たようなゲーム、ゲームだけじゃないけど、多いからさぁ〜飽きてんだよ」
「多いですよね、どれも、額縁に飾られた白紙のキャンバスみたいな作品ばっかです」
「すっごい詩的な皮肉〜」
「あはは!マイルドでしょぉ〜?」
「いや、それは......!」
”ピロッ“
「あ、メールいいですよ?」
「悪い」
誰からだ?大抵仕事終わりのメールなんて、ろくなことがない。修正とか、緊急の依頼とかそんなんばっかだ。広報の炎上の対応とか知らんし!!
彼女は遠くの景色をぼんやりと見ていた。
俺は疲れて霞んだ目で画面を覗く。
“拝啓、最高の魔王さんへ“
目に飛び込んできた件名は、ふわふわした文章!?
スパムか何かかと思ったが、魔王というワードが俺を刺激した。
もしかしたら、さっき話したゲームの案件か何かだと思ったからだ。
まさか!ベータ版の参加者に選ばれたのか!?俺は応募してないぞ?
俺はチラッと彼女の横顔を見る。俺の視線に気づくと、首を傾げて不思議そうに俺を見つめ返した。
「いや、何でもない」
そういって視線を戻すと、僅かな期待を持ってそのメールの件名を押す。
すると、件名に添えたような一文が目に入った。
“そろそろ...この世界を壊してみませんか?”
内容はそれだけだった。
どういうことだ?
新たなプロモーションか?
色々と考えるが本当にそれだけの文章だった。
リンクもない。
連絡先もない。
普通!なんか...こういう事業を〜とか!
〇〇のプロジェクトに関する〜とか!!
そういうもんでしょ!?依頼って!
「ブフっ!ははは!!」
「えっ!?えっ?どうかしました?」
思わず吹き出してしまった。
いや、すまない!だって面白いんだもん。深夜テンションのせいか?何だよ、このふざけた文章。やる気のないスパムかよ!
唐突に吹いた俺に困惑する彼女の表情。
目を泳がせてそう言った。
「はは、ん?ああ、見てくれよこれ」
「え?見ちゃっても良いんですかね?」
「大丈夫だ、マジでなんの内容もないから」
そう言って画面を見せる。
≪...残り2です...≫
すると、彼女も不思議そうな表情でこう言った。
「本当ですね、言葉足らずというか......無視して良いんじゃないですか?」
その通りだった。スリープさせた携帯をそのままポケットに入れる。
再び俺たちは歩き出すと、目の前にお気に入りのいつもの看板が見えてくる。
「あ!着きましたよ〜」
「いつもの店か」
「いつもの頼みましょっ!」
「またあれか?よく飽きないな?」
「それは......さんも同じですよねぇぇ?」
「まぁな」
「いらっしゃいませ〜お二人様ですか?」
「はい!」
「奥のお座敷へどうぞ〜」
俺たちは案内されるまま居酒屋の奥へ進んで行った。
座ってしばらくすると、別の店員が来てポケットから票とペンを取り出した。
「ご注文はお決まりですか?」
「私はこれとこれでお願いしま〜す」
「俺はこれで」
俺は、あのメールがまだ気になっていた。
それが彼女にも伝わったのか、注文を終えると切り出し始めた。
「気になります?」
「ああ、なんかな。もしかしたらさっきのゲームのプロモーションなんじゃないかとも思うんだが......ないか!」
「あはは、さすがにそれは......案外あっちゃうかも知れないですよぉ?」
「返信しちゃう〜?」
「ちょっと勇気が要りますね」
「い、い、で、す、よ!っと」
「あー!やっぱり躊躇いなく打ちましたよこの人ぉ〜!!」
「ははは!まぁ、なんか来るだろ。久しぶりにスパムで遊んでやるか〜!」
「はぁ、その遊びよくないですって......」
「ははは!知ってる!だから最近控えてたんだよな〜」
“送信しますか?”
”はい“
“送信しました“
「送っちゃった〜」
「あーあ、知らないですよ?私......」
目を逸らして彼女がそういった。
そのタイミングで、注文したものを運ぶ店員がこちらに向かってくる姿が目に入った。
「ご注文の......と......になります」
「ああ、ありがとうございます」
「また飲みすぎるなよ〜?」
「大丈夫ですよぅ。アルコール耐性高いので!」キメ顔でそう言った。
「よし、次は置いてくか」
「あぁ〜分かりました!ほどほどにしておきます。はい」
≪...残り1です...≫
「え?」
声が聞こえた。確かに聞こえた。
ハッキリとは聞こえなかったが、僅かなエコーと共にそう聞こえた。
キョロキョロと周囲を見渡すが、何もいない。耳鳴り?幻聴?疲れすぎか?
「どうかしました?」
「ああ、なんか声が聞こえた気がするんだけど。聞こえた?」
「え?そ、そんな怖いこと言わないで下さいよぉ〜」
「いや、確かに残り1って......あれ?こんなに静かだったか?」
あれだけ賑わっていた店の中が静まり返る。
店員の影もなく、まるで俺たち二人だけ切り取られたような......。
「ぷふっ、えっ......本当...こ、怖がらせないで下さいよぉ!」
「すまんすまん!もう一杯飲むのか?」
「飲みます!欲しいれす〜」
一杯目を飲み終わった彼女は、両手を伸ばしてそう言った。
「酒に弱いんだからほどほどにしておけよー?」
「その時は止めて下さいれぇ〜」
「一杯でこれだもんな。すみませーん」
音のない店の中で俺の声だけが響いた。
誰も来ない。
気配がない。
足音もない。
「あえ?来ないですね」
「おかしいな?すみませーん」
≪...残り0です...≫
今度ははっきりと聞こえた。確かに、そう言った!
残り0です。何が0なんだ?
「ん?」
向かいの席から気配が消えた。
「あれ、どこ行った?おい!」
彼女の姿が消えた。
トイレ?いや、俺は出入り口から店員を呼んだんだ、それはない!!
なんだ?残り0?
「誰かいませんか!?」
反応がない。一切の音がしない。
思考が混乱する。麻痺する。
アルコールのせいじゃない。
酔いの回っていない俺に、リアルは鮮明に説明を続けた。
どんなSFだ?
なにかの実験か?
モニタリング?人は突然人が消えたら、どんな反応をするのかとかか?
それならいい!
「ネタバラシをしてくれ!!」
しかし、その声も虚空に消える。
誰のリアクションもなければ、奥からフリップを持って意地悪く笑う彼女の姿もなかった。
なんだ?何が起きている?
いや!夜も深い!きっと、閉店も近いから人がいないに決まっている。
俺は急いで靴を履くと、覚束ない足取りで店のレジカウンターを目指す。
伝票は、まだもらっていない。
「あの!」
反応はない。
「はぁ!?どうなってる!?」
俺はその理不尽に若干イラつきながら、ガラガラと店の引き戸を開けた。
しかし、その感情も一瞬にして引きこもるほどのショックが外には待っていた。
その光景に異常な恐怖を感じる。
「人が、人が、一人もいない!?」
街は変わらず煌びやかに彩られていた。しかし、それを見ている人は見当たらない。
車は止まり、中には誰もいない。
誰もいない繁華街の横断歩道が、ただただ赤と青を繰り返し、存在しない歩行者に伝えていた。
「は?え??」
俺は交差点の真ん中で、ポツンと一人、狼狽えた。
状況が全く整理できなかった。
一歩、一歩と対岸のコンビニを目指して前に歩くが何もない。誰もいない。
声を出しても流れるのみだった。
キョロキョロと辺りを見渡す。その時だった。
≪...おかえりなさい、魔王さん...≫
今度はハッキリと聞こえた。
目の前で、俺に語りかけるように、そう聞こえた。
魔王?誰のことだ?ゲーム?シミュレーション?
『光が......消えた?』
突如として街の明かりが消えた。
唐突な暗闇に俺の目が何も受け付けなくなる。
停電?いや違う。何かがおかしい。空気が違う、音もない。
徐々に目が慣れていく。
目?目?
なんか、感覚が変だ。やけに視界が広い。
徐々に周囲が見えるようになってきた。
『木?なんで木なんて......』
広がっていく景色。
それはどこからどう見ても街路樹と街の景色ではなく、鬱蒼とした静かな森だった。
『なんで森の中にいるんだよ!!てか、声がでねぇ!!』
心の声が響いた。どこに?
慌てて近くを散策していく。足の感覚がおかしい。
動かないのに動いている。
木
木
木
木
木
木
木
森
泉
『空にはデカイ月...月ぃ!?』
三日後に月が落ちてくるゲームがあったが、そんな位にデカイ月がこっちを見ている。いや、顔はない。
『やけに明るい原因はこれか』
それは俺を優しく照らしていた。
何の明かりもないこの森を優しく照らしていた。
神秘的で、綺麗だというのが素直な感想だ。
しかし街の明かりに比べれば些細なものだ、木の枝と葉が重なるこの場所では、木漏れ日も頼りない。
『落ちるかな...あれ......』
どうしようか、三日後に月が落ちてゲームオーバーだというならどうしようも無い。
ああ、ゲームのキャラクターってこういう気分なのかな?
とりあえず開けた場所、泉の近くまで行こう。ここがどこだか知りたい。
泉のそばまで行く。慌てない。
『さて、どうなってんだ?持ち物は......しまった、店の中だ』
財布があっても使い所さんがなければ意味もない。
さて、この謎の現状。冷静に考えろ?
恐らく、恐らくだがフルダイブ型のゲーム、そのプロモーションの可能性が高い。
フルダイブはそのまま、VRよりもさらにリアルに、五感や没入感を再現した脳内シミュレーションゲームだ。
ゲームショーなどでは度々取り上げられ、俺も何度か体験したが、正直ショボかった思い出がある。脳に対する負荷が大きく、実用レベルじゃない。
『へぇ?ここまで進化した...のか?』
しかし、何かおかしい。普通ゲームなら説明やチュートリアルがある。
『ない...』
やらかした。きっとあのメールは契約書のようなものだ。
やっぱりスパムだったのかよ!でも、それにしては変だ。いや、仮に返信したら瞬時にゲームにダイブするってどんなシステムだよ。
『そういえば、おかえりなさいとか言っていた気がするな......』
もしかしたら俺は、このゲームの世界を知っている?
久しぶりにログインとかした感じ?
いや、でも、あのゲームはフルダイブ方式じゃない。落ち着こう。落ち着ける状況じゃないが、ピンチの時こそリカバリー!!
俺の底力を舐めんなよ?
とりあえず泉付近の探索を終える。
開拓ゲーなら無駄に食料が必要になるが、あの泉は飲めるのか?
そう思い近づく。
『!?......な!何だこれ!』
人魂?みたいな奴が浮いていた。
その姿は白く淡いサッカーボールサイズの光で、僅かに揺らめきながら浮かんでいる。
頭も、四肢もない。体もなければ声も出ない。
歩いている感覚でも、足で何かを踏み締める感触はなかった。
トランポリンの上を歩いているようなふわふわした感覚だ。当然手もないので、何かを触ることも出来ない。まさに幽霊のような状態にあった。
妙に視界が綺麗なのもそう言うことか。
...ウィスプ
その言葉が脳裏に浮かんだ。
『はははははは!!転生したらウィスプでしたってか?勝手に殺すなよ、おい。てか、転生しても死んでるじゃねぇか!おいおい!!』
思わず1人でボケてツッコんで笑ってしまう。
これだよ!この初々しさ...。
とりあえずここをゲームだと仮定する。リアルな感覚だが、どう考えてもリアルじゃない。
まぁ、体験版ならすぐ終わるだろう。仮に製品でもすぐ終わるはずだ。ああ。
『ゲームならアレがあるはずだ!』
そう、ステータス画面!!それがなければお話にならない。そう思って念じた。すると、
ピロン!
そんなSE?声?のような音と共に現れた。正確には目で見えず、脳内で綺麗にそのイメージが展開されていく。
『やはりゲームか。さて、いったいどんなゲーム何だか......』
少しワクワクしてステータス画面を覗く。覗く...?
まぁ、ここまでリアルなFDゲーは初めてだからな、少し興奮する。
さっきも少し触れたが、脳と体の負荷が凄すぎて数十分が限界だったこのシステムが、どこまで遊べるのやら。
『アル...マ種?ランク...測定不能!?称号:攻略者......ん?は?』
いまいちイメージが安定しないが...何だこのお粗末なステータスは......。
イメージとしてはぼんやりとした文字がくにゃくにゃと表示されている感覚。
あれだ、生体認証の文字入力みたいなことが起こっている。
それ以外にはないのか......?
そう思っていると、徐々に何か、文字が浮き上がってくる。
≪...スキル≫
その妙な空間を埋めるために、更に文字がくにゃくにゃと集まっていった。
その妙な空白が少しずつ埋まっていく。
≪固...スキル アルマ≫
≪固有...スキル アルマ≫
≪固有スキル アルマ≫
【憑...依】...アル......スキル。肉体...器とする。
【不...死】...アルマ...スキル。物理的干渉...死を無効にする。
≪ユニ...クスキル 攻略者≫
【オ...トマップ (攻略者)】...一度歩いた場所を自動で記録する。
【ターゲットフォーカスLv.1 (攻略者)】...ロックオンした獲物を一定範囲追尾する。
本当に脳内イメージだから少しブレインフォズ気味だが、徐々に慣れていったのか、段々と最初から綺麗な状態で浮かび上がるようになってきた。
最後の表示になると文字化けのような状態も消え、鮮明に文字がイメージできるようになっていた。
『ん?ああ〜なるほど!』
これで合点がいった。
そうか、体験版だから不死と憑依、つまり!モンスターの視点を体験できるわけだ!!
スペクテイターモードといえば分かる人には分かるだろう!
『なるほど、倒した魔物が武器になる。斬新なシステムだな!!』
くそ!!体験版であって欲しくなかった。
この久しぶりの感覚をもっと...もっと!!
昂る気持ちをそのままに、暫く周囲と今の俺が出来ることを探索する。
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