概要
仮に世界が終ろうと、これは君の旅だ。君が君の幸せを諦めないための旅だ。
百年前に勇者の活躍により魔王が封印されて平和が訪れた王国、セプテントリオ。長く続いた穏やかな日々は、最近少しだけざわついている。かつて勇者と共に魔王を封印した大魔法使いが魔王復活を目論み、勇者パーティーメンバーの名簿から永久除名処分となったのだ。以来こつ然と行方をくらました大魔法使いは、それまでの栄光を翻して一級指名手配犯となり、今なおどこかに身を潜めている。
記憶喪失の少年・テオは、不遜で美しい魔法使いの青年・ネージェに導かれ、記憶を取り戻すため『星詠みの旅』をしていた。最初の目的地はセプテントリオ王国の南部、凱風の街ウェントゥス。街では百年ぶりの大流星群が見られる星降祭(アストラ)の開催が予定されている。
覚えのない言葉が頭に浮かんだり、相当な剣の心得があることがわかったり、失った記
記憶喪失の少年・テオは、不遜で美しい魔法使いの青年・ネージェに導かれ、記憶を取り戻すため『星詠みの旅』をしていた。最初の目的地はセプテントリオ王国の南部、凱風の街ウェントゥス。街では百年ぶりの大流星群が見られる星降祭(アストラ)の開催が予定されている。
覚えのない言葉が頭に浮かんだり、相当な剣の心得があることがわかったり、失った記
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!星は、誰かがなくした記憶を持っている。
流星に願い事をする風習を元に発展した星降祭《アストラ》。
そこへ向かうため馬車に乗っていたテオとネージェだったが、テオがある人たちに席を譲ってしまう。
「『記憶がないのに』病的なほどお人好しで利他的な性格は健在か――!」
実はテオは記憶喪失。無くした記憶を取り戻すため、星降祭《アストラ》に向かっていた。
自分が犠牲になることで、誰かが救われることに安堵するテオと、それに怒るネージェ。
様々な風景、様々な人と巡り会う彼らの行先は。
本作の魅力は、まるで自分も旅をしているかのような、五感に訴える風景描写。
そして、軽快で破天荒でありながら、そこから滲み出る一筋縄ではいかない過去を持つキャ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!星詠みの旅で、彼らは何を手に入れ、何を手放すのか
オープンニングはゲーム風に始まる物語。
しかし、第1話を読み進めると、それはゲームではなく青年2人の旅のはじまりだった。
記憶喪失の主人公テオは、自己犠牲主義者だ。そしてテオの自己犠牲主義に真っ向から反する、もう1人の主人公・魔法使いネージェ。
テオの記憶を取り戻すため【星詠みの旅】を始める2人は、似ていない様で、どこか似た者同士だ。
何だかんだと息があった2人の掛け合いは、リズミカルで読んでいて楽しい。ひとつひとつの描写も美しく、夜空に煌めく星々が、この物語の世界へ導いてくれるかの様に先へ先へと読者を誘う。
魔王を復活させようとする大魔法使いとは何者か? テオは一体、何の記憶を失…続きを読む