星詠みの旅で、彼らは何を手に入れ、何を手放すのか


オープンニングはゲーム風に始まる物語。
しかし、第1話を読み進めると、それはゲームではなく青年2人の旅のはじまりだった。

記憶喪失の主人公テオは、自己犠牲主義者だ。そしてテオの自己犠牲主義に真っ向から反する、もう1人の主人公・魔法使いネージェ。

テオの記憶を取り戻すため【星詠みの旅】を始める2人は、似ていない様で、どこか似た者同士だ。

何だかんだと息があった2人の掛け合いは、リズミカルで読んでいて楽しい。ひとつひとつの描写も美しく、夜空に煌めく星々が、この物語の世界へ導いてくれるかの様に先へ先へと読者を誘う。

魔王を復活させようとする大魔法使いとは何者か? テオは一体、何の記憶を失っているのか?

忘れなくてはいけない何か。もしくは、忘れてはいけない何かなのか。
謎の多いテオの記憶を紐解きながら、どこか俺様的でありながら優しさもある魔法使いネージェの2人の旅。

あなたも彼らの旅仲間として、一緒に【星詠みの旅】をしてみませんか。

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