孤独のグルメのようなシブいおじさんのグルメじゃないけど、こちらは、テンポよくお話が進んでいきます。
それもそのはず、元気者の小学4年生の少女が主人公。
母親に出されたおやつを食べ、元気に公園に遊びに行く。
今の時代というより、私(1969年生)が少年時代の同級生の女の子の日常みたいです。ちなみに私が小学4年生だったのは、1979年です。
令和の今や平成の頃よりむしろ、その頃によく見られた光景のように思えてなりません。その頃なら、都会でもそういう光景は日常に見られたはずです。
ひょっとかの少年と結ばれて男の子ができたとして、そのくらいの年齢になったとき、彼女はその息子に(娘でもいいが、ここはあえて息子としてみたい)、どんなおやつを食べさせてあげるのだろうか。
そんな世代を超えた続編さえも、なんだか楽しみになってしまう。
望果ちゃんは小学4年生
授業が早くに終わる水曜日には、お母さんの特性手作りおやつが待っています
公園に集合する前に、ただいまの声よりも早く、おやつ何かな? 家に駆けこんで
ほんわか、ふんわり、ざくざく、ほくほく、ひんやり、ほっこり
おなかも心も満たしてくれます
作者さまはお母さまでいらっしゃいますが、その目線ではなく、子どもの目線でおやつタイムを描かれるのが新鮮です
美味しいおやつや、それを頬張るお子さんの描写もリアルでまさにおやつのメシテロ!
既製品のおやつもいいですが、手作りのおやつもいいものだとしみじみ思わせてもらえました
ああ、私も子どものころ、こんなおやつが食べたかったなあ
いわゆるかぎっ子で「母の手作りおやつ」なんて縁がなかったので
幸せのおすそ分けな逸品でした
羨ましい!!!
なんて素敵はおうちなんでしょう?
ほんわかしていて、あったかくて。
あのね、わたしね、食べ物を数値化して判断するのは好きじゃないの。
本来、おいしいとか笑顔になるとか、そういうことじゃない?「食べる」って。
数字になると、途端になんか違う世界へ行ってしまう。
このお話は、そういうは「食べることのたいせつさ」が、ぎゅうって詰まっているの。
こういうおやつって、子どもを幸せに、そして強くすると思います。
ちなみに、読んでいるとね、ほんわか幸せにもなれるし、
あっ、なんか食べたくなっちゃった!
っていう気持ちにもなりますよ。