第21話 ルーブ・ゴールドバーグ
「お待たせ致しました。紅茶が2つと、お水です。そして、こちらがお茶菓子になります」
給仕服の男が、小ぶりのカートの上から色とりどりのクッキーを取り出す。
ふわりと、茶葉の香りが部屋いっぱいに広がった。
「お茶請けは僕が受け取りましょう……放して良いですよ」
「ありがとうございます。最高会議は、通例ですと30分前後で終了するはずです。それまでは、こちらのお部屋でお寛ぎください」
「ああ。アレキサンドライトは?」
「会議終了後、こちらにおいでになると仰られていました」
「成る程な。ありがとう」
ヴィオラは、水の入ったコップを片手に半開きになった扉の外を見つめた。
今日は朝から、廊下を慌ただしく往来する者が絶えない。
「役員が一同に介すとなると流石に忙しそうだな」
「はい。各地のデモの対応にもある程度、人員を割いていますから」
「デモ?」
「議題が議題ですので」
「ふぅん……」
昨日、スピネルも言っていたが。
想像以上に、モンテドーロの民にとって歴代君主の遺訓とは大事なものならしい。
「ただ大抵の人は、恩恵不確かな遺訓の遵守より、実害の出ている失踪事件の解決の方が大事だと分かっていると思いますから。そう気にされる必要はないかと。事態の収集は我々ジェムストーンマフィアにお任せください」
「恩恵不確か、ね。アンタ、そんなこと言って良いのかよ?」
「バレなければ大丈夫です!」
「ハッ。ま、それくらいの気概がねぇと気持ち良く仕事できねぇよな」
ふと、扉を4度ノックする音が響く。
誰かとそちらに眼をやると、中背の人間の影がこちらに差していた。
「こちらのお部屋はボスが貴賓の為に手配された場所ですが……あ、あなたは!?」
扉の隙間から顔を出した使用人が驚愕のあまり身体を脇に寄せる。
向こうに立っているのは、あの時見かけた……。
「ええ、後程ワタクシの方から彼女には申し上げておきますから。ご心配なさらず」
「サイラス様、今すぐお茶を」
「いえいえ。アポイントメントもなく訪問したというのに、そのような気遣いを受けるわけにもいきませんから。それよりも、ワタクシは彼らとお話がしたいのです。よろしいですか?」
「そ、それは……」
自らのボスが招いた賓客の板挟みにされるとは、なんと不幸なことか。
「いい」
「えっ?」
「その男、入れていいぞ。それと、アンタも色々やることあるだろ?ここで油売ってねぇでさっさと行きな」
「わ、分かりました!どうぞ、お入りください……」
「ありがとう。杖はこちらで良いかな?」
「はい。それでは、私は下がらせていただきます」
面倒なことになった、とヴィオラは息を吐いた。
折角、柔らかなソファの上でゆっくりできるかと思ったのに。
彼は、長四角の短辺沿いに置かれた椅子に腰を下ろす。
数日前に出会った時はすれ違っただけだったが。
改めてこのように向かい合っても、抱いた印象は変わらない。
いけすかない男だ。
几帳面に整えられた顎と、鼻下に蓄えられた白い髭のコントラストが、訳もなく彼女の神経を逆撫でする。
「それで?」
「……ヴィオラさん」
「あ?」
「彼は、ラグナルの外交官ですよ。お気持ちは察しますが、モンテドーロに迷惑がかかることが無いようにお願いします」
「……。わーってるよ、黙っとけ」
「クフフ。仲がよろしいようで。しかし、多少口の利き方がなっていなくとも、我らが雄大なるラグナルが目くじらを立てることなどありませんよ。それは、ワタクシも同様です」
サイラス=スウェイン。
ラグナル王国外務局所属の外交官。
アレキサンドライトは、彼のことを対モンテドーロ外交の責任者としていたが……どうやら、その地位に見合った傲慢さを持ち合わせているらしい。
「そうかよ。それじゃ、さっさと要件を話してくれないか」
「中々、興味深いお客様がいらっしゃっていると聞きましてね。機会を伺っていたのです。偶然ながら、このように顔を合わせることができたことに感謝しますよ。そして、多大なる敬意をお示し致します」
彼はそう言うと、握手を求めるように右腕を伸ばした。
肩章から垂れる紐が微かに揺れる。
気は進まないが、雇い主が懇意にしている国の高官に恥をかかせるわけにはいかない。
ヴィオラは彼の好意に応えて右手を差し出し、優しく握った。
「月牙泉から招かれたのでしょう?アルカヘスト殿のことについて、お噂はかねがね伺っております」
「アルカヘスト?旦那ってそんなに有名なのか?」
「何をもって有名と定義するかは難しいところですね。ただ、外交官として最低限身に付けておくべき教養の内には当然入るお名前ですよ」
よく考えてみれば、あの人が普段どのようなことをしているのかなんて全くもって知らない。
加入して1ヶ月も経っていないのだから当然といえば当然なのだが。
「それで?」
「それで、と言われますと困ってしまいますねぇ」
「はぁ?」
「ヴィオラさん」
「……チッ」
「クフ。ワタクシは、あなた方とただお話をしたいだけなのですから。そうですね……あぁ、そういえば。たった今、最上階では最高会議が開かれているとか」
「……はい、仰る通りです」
それならマーキュリー、お前がどうにかしろ、と視線で合図するヴィオラ。
断るわけにもいかない彼は、紅茶を一口含んでから首を縦に振る。
暖かなハーブティーが名残惜しい……ただ、今日の所はお別れしなくてはなるまい。
「どのような議題なのか、あなたはご存知なのですかな?」
「マーキュリーです」
「それでは、マーキュリー君」
「金鉱の扉を開く為に必要なんだそうです」
「ほほう。金鉱と来ましたか。ワタクシがこの都市と関係を持ち始めてから早十数年、一度たりともそのような話題が議題に上ったことなどありませんな」
さぞ、彼は興味深そうである。
白々しいものだ。
その程度の情報、既に仕入れてあるだろうに。
「あなた方が、唆したのですかな?」
「それは、あまりに意地悪で断定的な言い方というものですよ、サイラス殿。あの方は、我々のような外来の存在に心揺さぶられる程意志の弱い方ではありません」
「ええ、あなたの仰る通りです。ワタクシでも交渉に手こずる程ですから。あの方は、傀儡とするには些か賢過ぎる。ワタクシの杞憂でしたね。……1ついただいても?」
彼は、大皿を指し示して表情を綻ばせた。
拒絶するわけにもいかない。
マーキュリーはあくまで笑顔のまま、クッキーを促す。
「ふむ……やはり、モンテドーロの菓子は良い」
「ラグナル王国にも、有名なお菓子は山のようにあると存じますが」
「クフフ。確かに、ケーキを作らせて我が国の右に出るものはいないでしょう。しかしこの年齢になると、濃厚で奥深いクリームは些か胃に来ましてな。紅茶に添えるならば、このくらい軽くて食べ易い菓子が丁度良いのです」
それを言えば、ラグナルにも美味しいクッキーの1つや2つ、ありそうなものだ。
ただ少なくとも、宮廷の茶会で添えられるお菓子はどれも重いものばかりなのだろう。
接待に当たって毎日のようにケーキを食べていたら、どれ程美味しかろうといつかは飽きてしまうのも道理である。
「思うに。会議は可決されるでしょう」
「どうしてそう思うのですか?」
「それは、あなた方が一番理解しているはずですよ。少なくとも、賛成票が過半数を割れる可能性は皆無に等しい。ただ、その結果はあまり望ましいものにならないかもしれません」
「……続けてください」
「あなた方はまだ、誰が味方で誰が敵なのか、見分けられていないと忠告しているのです」
忠告。
彼は、打って変わって真面目な様子で切り出した。
「この会合が終わり、アレキサンドライト殿と合流した後。そして、廃坑へと向かう前に。クリスタル殿と面会されるのを強くお勧め致します」
「クリスタル……確か、アレキサンドライトさんの後見人、ですよね?」
「ええ、そうです。数日前にお会いした時は、中々に憂鬱そうな表情でした。それは今も変わっていないことでしょう」
何故、とは聞かなかった。
クリスタル。彼もまた、モンテドーロを支配する役員の1人。
アレキサンドライトやスピネル、ペリドットと同じように様々な思惑と狙いがあるのだろう。
「さて。そろそろでしょうか。ワタクシがここへ来たことは他言無用でお願いします。必要以上の心労をかけることになりますからね」
「分かりました」
「それでは、ご機嫌よう。ワタクシはこれにて帰国するつもりですが、朗報が聞けることを願っていますよ」
立ち去っていくサイラスを、3人は引き留めようとしなかった。
元より招かれざる客であったのは勿論のこと、彼の言葉がどのような意味を持っているのか、考えずには居られなかったのだ。
そのまま彼は扉の傍のフックから杖を取り、立ち去る。
1分もしない内に、静寂が辺りを席巻していた。
「チッ。言いたいだけ言って消えやがったな」
「ラグナル王国は、大陸有数の軍事力を誇る大国家です。武力を背景に話を進められなかっただけ穏当だったと思いますよ」
「そんなことよりも。あの人の言葉が気掛かりです」
「誰が味方で誰が敵か分かってない、だろ?ムカつく言い方だが、事実ではあるな。誘拐されたとはいえ、オーラムでさえ味方なのか敵なのかはっきりしねぇ」
「オーラムさんは……」
どちらにせよ、身共は救いたいと思います。
彼女の静かな言葉だけが空中に浮かんで弾ける。
そりゃそうだ。サリナは、こういうことに関して特に敏感なのだから。
「それと、クリスタルに会えってやつか。確か一度会ったことあるよな?」
「初日に少し顔を合わせたくらいでしょう。ほぼ初対面のようなものです」
「今日なら、このカテドラーレの中で会える。癪ではあるが、会ってみるのも手だ」
「ただ彼の言い方からして、大人数で会いにいくのは賢明ではありませんね。行くとすれば、我々の内から1人選抜するのが良いかと」
「それなら私が行こう。人と話をするのは得意だがまぁ、言葉に技巧凝らすのはな」
クリスタルと話すだけなら兎も角、アレキサンドライトの気を逸らす会話は難しいという判断か。
サリナは無口であるから、マーキュリーとヴィオラで分担するとそうなるのも当然である。
尤も、クリスタルというモンテドーロの元老の一角に対して乱暴な言葉遣いが許されるかというと、そうではないのだが。
「……もし。中にいらっしゃいますか?」
「んぁ?あぁ、居るが」
「ボスがいらっしゃいました。扉を開けてもよろしいですか?」
「良いか?」
「はい」
「問題ありません」
「だとよ」
分かりました、という声が響いて後、数秒静けさが漂う。
気配が消える。ただ、すぐに誰かの姿が映り込む。
開いた戸の隙間から、彼女はぬるりと姿を現した。
「ふぅ……お待たせ致しました」
「気にするな。……あ?」
「……?私の顔を見て、どうされました?」
ヴィオラは思わず、顔を顰めていた。
彼女の人相の悪さに拍車がかかる。
ただ、その歪みはヴィオラの不器用な優しさが故のもので。
「浮かねぇ表情だな。なんだ?スピネル辺りに裏切られて否決だったとかか?」
「ハハハ。もしそうなっていたら、元気がないどころではありませんでしたね。大丈夫です。最高会議は賛成5票反対2票で可決されました。皆様のお力添えあって、気難しい彼らの心を動かせたのだと思います」
「殆どお前の作戦と話術のお陰だろ。それに、賛成5票か。想像以上に支持されたんだな」
「ええ、それは良かったのですが……」
歯切れの悪い言い方である。
だが、彼女はあくまで触れずに続けた。
「んで、反対2票ね。ペリドットと……オパール辺りか?そいつ、快楽主義者なんだろ?統治者の1人であるからには多少の良識くらいはあると思ってたが」
「いえ、オパールさんは兎も角、ペリドットさんは反対票を入れませんでした」
「は?」
「彼が入れたのは賛成票。これは間違いありません。投票箱の中には美しいカンラン石が入っていましたから」
「それなら誰が……?ダイヤモンドか?」
「いえ。そうではありません。その、もう1つの反対票が私の悩みでして……」
どこから持ってきたのか。
というか、いつの間に淹れてきたのか。
マーキュリーが、徐に湯気立つ紅茶を彼女の前に差し出す。
成る程、これができるバトラーというやつか。
「はは、ありがとうございます」
「いえ。目上の方に対する最低限のマナーです」
「……それで?誰だったんだ」
「アンドレアさんです」
「アンドレア……」
「アンドレア=プレラーティ。以前、一度お顔を合わせたことがありますよね?」
モンテドーロの職人ギルドを束ねるグランドマスター。
ジェムストーンマフィアのボスと双璧を成すモンテドーロの大物……まさか、彼が。
彼女の視線が不意に落ちる。
その揺れる瞳には、確かな困惑と共に僅かな不安が見え隠れしていた。
*
ある日、深夜にて。
某カテドラーレの尖塔の影の中、禿頭の老人が憂鬱そうに月を眺めている。
口元を覆い尽くさんばかりの髭は、灰のように正気を失い、ただあてもなく地に垂れていた。
「……よぉ。待たせたな」
男がその場で空を眺め始めてから一体どれくらいの時が経過しただろうか。幾つかの雲が去り、何度か月を覆っては離れを繰り返した後、その闇の中にもう1人の老人が軽々な様子で歩み入った。
「集合が早いのは、お前の美徳だと思うぜ。オレはな」
「……こうして顔を合わせるのはいつぶりでしょうか。」
「さぁな。1年ぶりくらいじゃねぇか?お互い、忙しいだろ」
「アンドレア」
モノクルに、年齢の割には若々しいグランドマスターの顔が反射する。
「ここ10年、20年で、我々を取り巻く環境は大きく変化しましたね」
「へっ。なんだよ。久々に顔を合わせた最初の話題がそれか?お前らしくねぇ」
「辛気臭い話題は私も望むところではありません。ただ、このような局面に至ったからには避けることのできないものでしょう」
「まぁ、な。否定はできねぇ。オレも、お前から手紙を受け取った時に大体察したさ。アレキサンドライトちゃんのことだろ?」
「……ボスに聞かれていたなら、きっと怒られてしまうでしょうね」
ただ、クリスタルはそのような呼び方をするアンドレアをこれ以上咎めようとしなかった。
彼はまるで悪巧みをする子供のように含み笑いして、続ける。
「はっきり言う。オレは反対だ」
「彼女の考えは既に聞いたのですか?」
「あぁ。直接、ボスの口からな。毅然とした態度だったよ。ただ、腰の低さは相変わらずだったな」
「それでも、アンドレアは賛同しないのですか」
「オレは、あの子の父から。そして、オレ達の先代オーラムから、君主達の遺訓を守るよう託された。アイツと交わした約束を違えるわけにはいかねぇだろ」
「……」
アンドレアの鋭い視線がクリスタルに向けられる。
「お前も、オレと同じだと思っていたが」
「様々なことを考慮した結果です。彼女は、若く機知に富んでいる。転換期にあるこの都市を汚泥のような煮凝りから救い出せるのは、しがらみに囚われている我々のような老害などではない」
「ハッ。違いねぇ。若者の行く道を阻むのは、いつだって皺だらけの年寄りだ」
「あなたと、彼らは別物だと?」
訝しげに眉を顰めるクリスタル。
差し込む月の光はふと厚い雲に遮られ、互いの表情は暗闇の中に消えた。
「違う、とは思ってるがな。オレにはオレの信念がある。邪魔はしないでくれ」
「それは、私の台詞でもありますよ、アンドレア」
「オレ達の盟友が託したことを。ボスを信じてるから、だなんて不明瞭な理由じゃ捨てられねぇよ、オレは」
「職人ギルドのグランドマスターらしからぬ我儘ですよ。時代は変わりました、彼の遺言も、10年前の情勢と彼を継ぐはずだったあの子があってのものでしかありません。最初に申し上げたはずですよ。我々を取り巻くものは、ここ10年で大きく変化した、と」
あの子。
2人の脳裏に、アレキサンドライトの義姉の姿が浮かぶ。
溌剌としていて誰よりも賢く、何をするにしても天才的で未来を見据える能力のあった少女。
オーラムの名を継いだのも納得だった。
初めてその意向を聞かされた時彼らは驚愕したものだが、反対しようとは微塵も思わなかった程に。
「あぁ、分かってるさ。それに、今回は信頼できる助っ人がいる。鉱山の呪いを解き放ったとしても、彼女ならどうにかできるかもしれない」
「かもしれない、ではありません。ボスはやり遂げますよ、必ず」
「へっ。後見人らしい自信だな」
「……」
夜空の星を眺めに、大人達の眼を盗んで山に登った時のことを忘れたことなど一度もない。
特別な時を共有したかけがえの無い友のことも、また同様である。
ただ、道を違えようとしている今、背後を振り返っている暇などなかった。
「説得失敗、ですか」
「お互いにな。元々知ってたさ。お前は、情に訴えても一切靡かねぇ野郎だってことくらいは」
「それではあなたは、彼女に説得されつつも反対に票を投じるのですね」
「あぁ。オレの手の内にあるマシナリーは、どのような議論が行われようと反対の議決箱に投じられるだろう」
「しかし、否決になった場合どうされるのです?この会議は人命の救済が掛かったものなのですよ」
「心配すんな」
やれやれ、といったふうにアンドレアは腕組みをした。
「確かに、人命救助は大事だ。だから、既にダイヤモンドに金を積んである。アイツは、お前らに味方するさ。それと、スピネルはボスの交渉を受け入れて彼女の賛同者になったらしい。これで、お前を含め4票。否決になることはないさ。ペリドットの坊ちゃんがどう動いてもな」
「……本当に、あなたは周りくどい。本来、あなたこそ賛成票を投じて差し上げるべきでしょう」
「いいや、これは大きく違う。オレの意見はあくまで否定だからだ。あの山の脅威に添え付けられた蓋を、安易な気持ちで開いてはダメだ。ダイヤモンドへの賄賂は、彼女の言葉を聞いた上で賛同しないことを選んだオレの自己満足と罪悪感の払拭でしかない」
クリスタルは一瞬、男の正気を疑った。
可能性があるとすれば、2択だと思ったのだ。
自暴自棄になっているか、或いは誰よりも成し遂げたいことがあるか。
そして、月に照らされた彼を見て、後者の方だと実感した。
「それでは、好きなようにしてください。ただ——」
「……」
「彼女に直接危害を加えるようなことがあれば、必ずあなたを殺しに行きますよ」
「分かってるさ。でも、オレの銃の腕を忘れたわけじゃねぇだろ?殺しに来るなら、万全の準備を整えておけ」
交渉決裂。
説得も応じられず。
2人の老人は、小さな背中を雄大に広げながらその場を後にする。
カテドラーレの鐘楼の音が鳴り響いた。
夜は長い。
だが、彼らの短い会合はそれきりで後に続くことはなかった。
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