概要
いかに前途が暗くとも、辿り着くべき場所だけは誰もが知っていた。
名前の広まらない傭兵こそ真なる一流の傭兵。そう信じて疑わないフリーランスの傭兵、ヴィオラは、ある賭博場で見知らぬ老人に仕事の依頼を持ち掛けられる。しかし、彼女の職業を知っているのはごく一部の人間に限られているはずだ……ヴィオラは疑いの眼を老人に向け、情報源を問いただす。だが、なんとその老人が情報源としてあげたのは、既に故人であるはずの彼女の恋人、クラリアの名であり、証拠として差し出されたものもまた、正真正銘彼女の所持品であった。埋葬したはずの恋人が生きているかもしれない。そんな、現実離れした事実を前に、思わず依頼を承諾してしまう彼女の手の内には、次なる仕事場の名前が書かれた紙切れが握られている。過去から眼を背け続けてきた一介の傭兵はこうして、世界の本質と歪んだ過去が待ち受ける広大な戦場へと足
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