概要
世界崩壊。腥い軍隊。白亜の怪物。血を振るって少女たちが戦う、そんな話。
ニコは15歳の少女だ。図書館で育ったから読書が大好きの、小さな人殺し。理屈っぽくて、少しだけ死にたがり屋で、そしてレナトスである。レナトスはその血を以って、世界にはびこるクリーチャーを殺す使命がある。
クリーチャーはその名の通り怪物である。四十年前突如として現れ、人類を蹂躙した、真っ白な侵略者。同時に生まれたレナトスという少女たちだけが、クリーチャーを殺すことができた。その能力は剣や、鎚や、弓矢といった形象を持ち、その真っ赤な見た目からサングイスと呼ばれた。
ニコもサングイスを持っていた。しかしそれは身を守るだけのなまくらだった。クリーチャーに傷一つ付けることすら能わない。彼女の願いとは真逆のサングイス。
ニコは殺し合いたかったのだ。殺意と肉薄し、命を晒し合って。全く夾雑物のな
クリーチャーはその名の通り怪物である。四十年前突如として現れ、人類を蹂躙した、真っ白な侵略者。同時に生まれたレナトスという少女たちだけが、クリーチャーを殺すことができた。その能力は剣や、鎚や、弓矢といった形象を持ち、その真っ赤な見た目からサングイスと呼ばれた。
ニコもサングイスを持っていた。しかしそれは身を守るだけのなまくらだった。クリーチャーに傷一つ付けることすら能わない。彼女の願いとは真逆のサングイス。
ニコは殺し合いたかったのだ。殺意と肉薄し、命を晒し合って。全く夾雑物のな
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!世界。敵。滅び。闘争。すべては具現化した少女たちの心象風景。
(読了後、幾分期間が空きましたが感想を)
「まっとうな猶予を与えられなかった刹那的なモラトリアム」。一文で表すに、この作品を私はそう思いました。
年端もいかぬ、中身がないがゆえに虚像を追いかけて充足を求める、少女という期間。平和な世界であれば家庭や教育などの支えで大人になるものですが、そのような中間項はこの作品に存在しません。徹底的に削ぎ落とされています。作中舞台となる軍事組織も、そのじつ社会性など有していないように見えます(レナトスなどは使い捨てのコマという認識なので)。人間関係もレナトスと呼ばれるごく限られた少女たちの間で閉じています。
苛立ち。羨望。自虐。破滅。
作中…続きを読む - ★★★ Excellent!!!序盤を耐えて読んで良かった
導入部分が正直非常に読み辛く、専門用語なども多い。
文章も粗削りで、戦闘シーンなどは勢いがあって目を見張るものがあるが、それ以外では読み辛い所があったり話の流れがふと分からなくなる事もある。
…しかし、それでも面白い。
大枠はシリアス系の美少女ソシャゲのような世界観。
退廃した世界観で女の子達が兵士となって戦っている系の話。
それをライトノベルに落とし込み、小説だから出来る綺麗な文章で装飾し、小説だから出来るエグい設定やストーリーで盛り上げている。
そして、そんな物語の中で語られるテーマ性は
「辛い現実には死ぬか立ち向かうしかない」というもの。
現代のラノベが無くしてしまった、本来は現代の…続きを読む