インタールード②――通過儀礼について



 この儀式は性的成熟時に行なわれる。この儀礼によって若者は氏族共同体に加わり、完全な権利を有する成員となり結婚する権利を獲得する。この儀礼の社会的機能は以上のとおりだが、その形式はさまざまであり、このことについては昔話の資料との関連において、さらに詳しく検討することにしよう。この形式は、儀礼の思想的基盤によって規定されている。若者は儀礼の時に死に、その後、新しい人間として復活すると考えられていた。これがいわゆる一時的な死である。死と再生は、若者が怪物のような動物によって呑みこまれ、食われることを表す行為によって示されている。若者はあたかもこの動物に呑みこまれ、一定期間怪物の胃の中にとどまり、帰還した、すなわち吐き出されたかのようにふるまう。この儀礼を行うために、動物を型どった特別の家、または小屋が設けられ、さらに扉は獣の口を表している。


――ウラジミール・プロップ 「魔法昔話の起源」

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揺籃、砕いて空に臥し 樋上佳作 @kasaku

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