第八話:日本人は怒らせたら怖い温厚な人が多い
「馬鹿な女だ! 我々、大和魂を越えし、群馬魂の礎にしてやる!」
「おい…、お前!」
「なんっ、…ぐぁは!?」
構成員が
「ヤイバ…さん! えぇと、勝手な事をして、すみません。」
「ヤイバで良いよ。こちらこそ俺のせいで危険な目に遭わせて、すまないな。たくっ、俺もまだまだだな。」
その時、客車前後の扉に陣取っていた構成員二人はリーダーである構成員がのびていることに驚くも、彼らに
「きっ、貴様! よくも隊長を!」
「これ以上、動いてみろ! 人質を蜂の巣にするぞ!」
「あっ、あいつら! 余計なことを!」
「もう、おしまいよ! 嫌ぁぁぁぁぁ!」
パニックになる車内にヤイバは内心焦っていた。このままでは怪我では済まされず、総理大臣である父や東京県士である兄にも迷惑が掛かる。
その時、カタナから耳打ちされる。
「ヤイバ、私は貴方の前にいる者を倒してみせます。あなたは私の後ろ近くにいる者を対処して下さい。」
「おい、無茶言うな。無闇に刺激して、銃を乱射されれば、人質の命はないんだぞ。」
「私たちには大和神技流剣術があります。あの技なら…お願いです。信じて下さい。」
「…分かった。死ぬな、死なせるな。」
「はい。」
ヤイバとカタナはすれ違い様に前後の立ち位置を変えた同時にその前後の構成員に向かう。幸いにも、構成員の二人は人質の喚く騒音に気を取られ、ただの一瞬でも目を離した隙だった。
「貴様ら黙れ! 黙らなかったら、そっちにも…!? きっ、貴様!?」
カタナはスローモーションに見えるかのように目視さへも測れない迅速さで構成員の懐近くまで接近し、空港で買ったかのような飛行機を模したお土産用ボールペンを振り上げ、
「がっ!? しまった!?」
そのすぐさまで彼女はボールペンを斬り下げ、構成員の顳顬にぶつけ、その衝撃は脳を痙攣させられ、構成員は白目を剥き、倒れた。
「これが八尺瓊。これが実戦…ドキドキしました。」
一方、ヤイバはもう一人の構成員が
「あが!? 目が!?」
そして、間合いを詰めたヤイバはその構成員の脚裏を思いっきり払い蹴り、倒れさせる。
「これは
二人はあっという間に二人の構成員を倒してしまった。しかし、先程倒されたリーダー格の構成員は起きあがろうとしていた。
「やばい、取り押さえるぞ!」
「はい!」
その瞬間、客車前方の扉から煙玉が現れ、爆音と煙幕が爆散した。
「えっ、ええぇ!?」
「なっ!? このタイミングで!?」
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