異界史日本大戦

@kandoukei

秘録:最強の日本はこうして生まれた。

 日本、それは極東や島国と囁かれながらも、時代を重ねるごとに実際の領土とは関係なく、大国と成長していた。

 神代、神武初代天皇が日本を建国し、大和王朝が誕生する。後に十二代天皇の息子である大和武命が北は東北、南は九州まで統一し、邪馬台国の女王である卑弥呼と共に、漢の国の一つ魏国と交易した。その交易によって、538年に仏教が伝わり、聖徳太子によって仏教の布教と天皇中心の政治への基盤形成に勤しんだ。

 平安935年、平将門が新皇を自称し、朝廷を退き、武士政権を獲得したことをきっかけに侍の価値が見いだされ、交渉の末、侍の独立権を認める。

 1156年の保元の乱で源為朝が後白河上皇を討ち取り、崇徳院上皇を筆頭に南宋と交易するも、平清盛率いる平氏の反乱に源頼朝・源義仲・源義経ら三兄弟率いる源氏が立ち向かう源平合戦を繰り広げる。

 1185年の壇ノ浦の戦いにて源義経が安徳天皇と草薙剣を救出し、朝廷と武士の実権を独占、後鳥羽上皇と源頼朝が討伐に動くが、奥州藤原氏を後ろ盾とし、源義仲や平知盛、平教経、平景清といった一部の源平勢力を指揮し、返り討ちにし、奥州幕府を独裁体制で設立。

 後に、アジアの元からヨーロッパのビザンツやローマまで支配したモンゴル帝国初代皇帝であるチンギス・ハーンによる元寇を防ぎ、

 戦国時代になると、明智光秀が羽柴秀吉、織田信長両名を打ち倒し、徳川家康と手を結び、江戸幕府として統一。光秀がオランダ東インド会社との協力のもとでスペインから東南アジアやインドの貿易圏を奪取したと同時に植民地を撤廃し、日本人含む奴隷民を解放し、世界との貿易を行い、家康が法律と行政を定め、国内の治安に努める。江戸時代になるころにはシルクロード以上の東洋世界の貿易拠点となり、国内の富国強兵に勤しむ。

 幕末1854年では勝海舟率いる徳川海軍により七隻に及ぶ黒船の大艦隊を撃破し、アメリカとの有利な外交条件を得た。また、世界征服という野心を持つヴィクトリア女王が支配する大英帝国からアヘン流通に苦しむ清や植民地に成りつつあったインドを援助し、西欧国の脅威からアジアを救う象徴となった。

 世界大戦時での日本は中国、インド、東南アジアといったアジア諸国との連携である大東亜共栄圏オリエント・ユニオンによる経済連携で世界恐慌を乗り切るが、大帝ツァーリアナスタシアが率いる新ロシア帝国と対峙するソヴィエト連邦を率いるヨシフ・スターリンと中華を統一した共産党の毛沢東らによる共産主義者たちの支援を受け、東條英機や石原莞爾が世界大戦による軍拡を目論む戦争派を結成し、満洲や北海道を占拠し、天皇が率いる和平の皇軍たち対抗し、退く。歴史上最悪の独立国家ドイツのナチス第三帝国がヨーロッパ諸国を蹂躙した際、それら諸国と同盟を組み、ナチス軍を撃退する。

 しかし、ハルノートを巡るアメリカとの戦いでは、日本の広島と長崎を被爆したことをきっかけに日本はアメリカに降伏、大東亜共栄圏オリエント・ユニオンは解体され、主要国の監視を受けた。

 その後の昭和と平成では、第一東京オリンピックや高度経済成長、バブル経済を得て、経済国の基盤を形成し、輸出問題と少子化問題を解決するも、その裕福さの裏で政治家の汚職やスラム問題、外国人による排日テロが勃発する。その問題を解決する為に実力主義による内閣を目指す【大和魂党】を設立し、実力行使で様々な問題を解決する。

 現在は【日ノ本八流星共和国】と国名を改め、侍・忍者・陰陽師という御三家が国防と行政を担い、妖怪にも自治権が認められている。

 しかも、日本は【北洲海道連邦】・【新武蔵帝国】・【大尾張東海道帝国】・【北陸四県連邦】【阪神畿内合衆国】・【山陰陽連邦】・【瀬戸内共和国】・【邪琉九州連合国】という七つの国に分割統治されている。

 そして、2020年4月、新型世界感染パンデミックによる全世界停止ロックダウンを未然に防ぎ、第二東京オリンピックを間近に迎え、新たなる経済成長の兆しを見せる。

 この国は世界各国からこう恐れられた。

 極東魔界と。

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