第12話



 カズと私は、家の近くの公園で知り合った。



 あの時は確か10歳くらいだったか?



 サリエルが出稼ぎに行っている間、家にいるのもつまらなかったので、よく外に出て遊んでいたのだ。



 カエルによく怒られたが、目を盗んで街中を歩き回った。



 今思えばかなりの危険行動だったかもしれない。



 私の生まれ故郷では、外に出て王国を歩き回るくらいが健康的で、ちょうどよかった。



 しかしこちらの世界では、子供が1人で街中を歩き回るのは危険行為として知られている。



 「姫様!勝手に家を出ないでください!」


 「いい加減にしてください!身勝手をされては困ります!!」



 カエルの声が、記憶の中で甦る。



 1日に1回は必ず怒られていた気がするが、そんなに怒らなくてもいいではないか?



 こうして今では立派に成長したわけだから、文句はないだろう。



 

とまあ、無断外出ばかりしていた幼少期だったが、その頃によく行く「場所」があった。



 『スターバックス コーヒー 横浜公園店』



 だ。

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