第6話




 そんなことはお構いなしにと、黒板の上に白い文字がズラズラ走り書きされ、


 「それでは次に」


 と授業が進む。


 慌ててノートにテスト範囲の要点を書く。


 人間が猿から進化したのには、いくつかの仮説があり…


 とかなんとか。


 ケンシン、ちょっと待ちなさい!!!!



 「あの、すいません、ケン…、いや、先生。類人猿と中新世類人猿って、なにが具体的に違うんですか?」



 なぜ、こんなことを勉強しなければいけないのか。


 鞄の中に忍び込ませているカエルを呼んで、チョコレート味のカロリーメイトを取ってもらう。


 お腹が空いて仕方がないのだ。


 昼食を取ったばかりとは言え、したくもないことを1日中するのは骨が折れる。


 6限目は「数学」らしい。


 計算が苦手な私にとって、この上なく苦痛な時間が始まるともなれば、甘いものを食べずにはいられない。

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