学校帰りの買い出し①
第1話
昼休みが終わった後半のスパート。
時計の針が午後13時を回ったのを機に、机の上でうなだれていた私を起こす授業のチャイムが、
ジリリリリリリ
と響く。
眠たい頭を持ち上げてひらいた「歴史」の教科書。
「うるさいな」とため息をついたのを皮切りに、5限目の授業が始まった。
やれやれ
そう思いながら、何事もなく健全な高校生活を送っているように見えるが、勘違いしてはいけない。
私は女子高校生でも、ましてや、学業を嗜む一般市民でもない。
私は、プリンセスだ。
次期王妃たる立場の人間なのだ。
本来なら、今頃昼時のティータイムを嗜んでいるような身分であるはずなのに、なぜか、他の市民と変わらぬ生活を送っている。
朝から晩まで習いたくもない勉強に勤しんで、露出の激しいスカートを履き、登下校の道中にすれ違ったクラスの人たちと肩を並べて、
「おっす!」
とか訳の分からない挨拶を交わし合う日常を、送っている。
だが、そんな軽いノリで、日々を過ごしている場合ではないはずなのだ。
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