第24話



 空気撃(エア・シュート)



 私は全ての魔法属性を扱える。


 まあ、その中でも向き不向きはあるが、簡易的な魔法なら造作もない。


 【風】


 体内の魔力を血中の内側に巡らせ、魔法流域を形成する。


 各属性に応じて使用する魔法量や“練度”が違うが、下級魔法程度なら範囲を絞るまでもなかった。



 拳に力を込め、グッと腰を落とした。


 驚かしてやるつもりだったんだ。


 公園の立地は丁度よかった。


 目の前には広大な海と、空。


 広い敷地のおかげで、通行人もそんなにいない。


 頭には血が昇っていたが、周りが見えなくなるほど冷静さを欠いていたわけではなかった。


 ただ、“一個”のことを除いては。



 あの当時、私は修行に明け暮れていた。


 小学校に入学して以来、ひょんなことから魔法を発動してしまう癖があり、その度に先生を驚かせたり、周りの友達を危険に及ばせてしまうことがあった。


 そんな私を危惧したカエルは、サリエルと共に1から魔法の基礎を学ばせることにした。


 放課後の後、日が沈むまで近くの空き地でひたすら汗を流した。


 

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