第13話



 「抹茶フラペチーノひとつください」



 この国の「抹茶」という商品は本当に素晴らしすぎる。



 作ったやつは天才だと、テラス席に腰掛けてよく海を眺めていた。



 横浜公園店の敷地は広く、景色もいいから、2人用の席を陣取って勉強をしたり、趣味のイラストを描いて時間を潰したりしていたが、この場所に来るのはひとつ、理由があった。



 今でもそうだが、サリエルがこのスタバでパートとして働いていたのだ。



 大体朝から5時までの勤務で、学校が終わって1、2時間もすれば、一緒に家に帰れる時間が来る。



 だからその時間が来るまで、毎日、スタバの椅子に腰を下ろして過ごしていた。



 カズとは、このスタバの近くにある公園で知り合った。

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