第4話
だが、正直言うと、
「授業」
なんてどうでもいい。
私の生まれた国や、父君や母君のことを夜な夜なカエルに聴かされる度、故郷に帰りたいという気持ちが募る。
私が呪いを受けたのは、生まれてからすぐのことだ。
だから実際はブリュッセルという国がどういう世界だったかを思い出すことはできない。
生まれて、すぐにこの日本に来た。
だから魔法なんてものが本当に存在するのかも、疑うことはある。
しかし、しかしだ。
私だけがなぜ、カエルの言葉が分かるのだ?
動物たちの声が聞こえる。
この前は、森で鹿と話した。
鹿は私の言葉を理解できなかったみたいだが、私は動物の言葉を理解している。
それは、カエルに教えてもらったおかげだ。
他の人にはわからないことが、私には分かるという点。
髪の色が生まれつきピンクであり、左右の目の色が違うという点。
呪いの副作用で時々悪夢を見てしまうこと。
以上を踏まえて、私が魔法の国に生まれたということを、少しずつ理解するようになっていった。
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