狂信者のキス

　かつて戦場で、サラとジェイコブという負傷兵二人を助けたのは、刑事である赤野周作。周作は、仙石という裏社会の人間から身を隠すことを目的に本名である周(あまね)という名前を捨て、女として生きることやめてしまった。
淡い色の髪は風になびき、長い睫毛の下の大きな緑がかった瞳は、どこか常識はずれな周作を彩るが、彼女は、赤野周作と名乗り、男の姿で生きていた。
　そんな中、周作の友人の松岡宗次の管轄で、拳銃の取引がラブホテルで執り行われているという事件がおきた。周作は、松岡と協力して、その取引を暴く。そのやり口は、仙石の物である可能性がある。
実は、周作に執着する仙石が弟の優作の婚約者であるあおいを狙っているという情報があった。周作の素性を隠しているのに、なぜあおいが狙われるのか分からないが、あおいと優…続きを読む