概要
リーザは己の「夏を呼ぶ」という特異な体質を活かし、霜蟲を追い払う「霜祓い」となることを夢見ていた。
しかし、不運が度重なり見世物屋の下僕にされたリーザはとある日、「怪しい妖術を操る不審者」として汪夏帝国兵に捕らえられてしまう。
そこでリーザは、汪夏帝国の北方を支配する騎馬民族国家「スメイア国」の王に助けられる。己の命を救ってくれたスメイア王に恩返しを申し出たリーザは、スメイア王の王命によって、スメイア国が第一王子シムルグへと嫁入りすることになってしまい……。
三百年を生き、「冬蛇の王」と恐れられる異形の姿を持った王子シムルグ。
リーザは、夏にしか目覚められない体質でもあるシムルグに「常に夏を届
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- ★★★ Excellent!!!彼女は歌う。彼はその姿に向日葵を見る
凍てつく大地の支配する北大陸の汪夏帝国にやって来た少女リーザ。
彼女には「夏を呼ぶ」という特異な体質があり、歌うことで夏を届けることが出来るのですが、異邦人の彼女は汪夏帝国兵に妖術使いと怪しまれてしまいます。
そんなリーザの危機を救ったのが、北方を支配するスメイア王。
命の恩人に恩返しを……と訴えるリーザに対して、王が提案したのは第一王子との結婚!
……と、ここからがわくわくとキュン!の連続です!
リーザの夫となるのは冬蛇の王シムルグ。彼は異形の姿を持ち三百年という時を生き続けている蛇人の王子だったのです。
霜蟲に取り憑かれてしまうシムルグは夏にしか目覚められない体質なのですが、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!厳冬の霜を祓う、小さくも熱い夏が到来!
主人公リーザは夢を持って、異国から汪夏帝国へと渡ってきた。
しかし、異邦人の彼女は気づけば、見世物小屋の下僕になってしまった。
そんな不運な彼女が出逢ったのは、スメイア国の王。
彼の願いもあり、嫁ぐ先はスメイア国にいる「冬蛇の王」ことシムルグ第一王子だった。
この話はとにかく、最初から最後まで夏の申し子のようなリーザの魅力にやられっぱなしでした。
勿論、まるで向日葵のように夢へと直向きな彼女。持ち前の明るさは周りを暖かくさせます。
でも、まるで夏の夕立ちのように、時々臆病になることもあります。けれど、彼女は自分で足を奮い立たせ、雨雲を払い、霜を祓う。
彼女が歌う夏呼びの歌はどれも壮大で、美…続きを読む - ★★★ Excellent!!!寒い冬に舞い降りた、夏を呼ぶ歌姫
北大陸の汪夏帝国に渡ってきた、リーザ。
異邦人ということもあって言葉もたどたどしく、さらに不運が重なり見世物屋の下僕にされてしまう。
そこで披露される「夏を呼ぶ」歌声をきっかけに、スメイア国の王に見初められ、第一王子の元に嫁ぐ。
その者は、「冬蛇の王」と恐れられる、シムルグ。
夏と冬。
相容れない存在だから、逆に合うのか。
ないものねだりではなく、互いに尊重して、且つ補えるからか。
真逆の存在でも、似た境遇を送ってきたからなのか。
二人が惹かれ合うのは必然的な、そんな素敵な物語です。
リーザの「夏呼び」の歌も素晴らしくて、その描写にとても惹かれました。
また、リーザのたどたどしい言葉使…続きを読む - ★★★ Excellent!!!春を待ち侘び夏を想う。冬を解かすのは、向日葵の歌。
凍てつく北大陸に、夏を呼ぶ少女リーザがやってきた。
リーザが歌で呼ぶ夏は、じりじりと肌を焼く嫌な酷暑ではなく、凍った雪や心までもを解かす向日葵のような温かさ。健気でひたむきでいたいけなリーザが息を飲むほど美しい歌を歌う描写に、とても惹き込まれます。夏を呼ぶという特異な体質のせいで虐げられてきた彼女の歌はそれでもなお希望に満ち溢れていますし、「謳おう」と呼び掛けてくれる優しい心根が大好きです。
そんなリーザが、北大陸の北方を支配するスメイア国の王に見初められます。嫁ぎ先は第一王子。でも、王の息子ではない。他の王子たちも血の繋がりはない。特異な王族の設定に隠された凍てつく冬を解かすために、リー…続きを読む