ロンドンの兄の元へ!と地元との別れ

まだ、僕は10歳だった。

親の家を離れて、

大人でも怖ろしいと思うような

旅路を始めるときが刻一刻と近づいてきた。


シュウスベリからロンドンへは、

僕はたった一人で旅をしないとならなかったんだ。


まだ、僕はこの辺りの土地から

出ていったことも無かったけど。

少しこわかった。


この年齢の時分には、

町の人々は老若男女問わずに、

男も女も、若い子も年寄りも

みーんな僕は知っていたし、

みーんな僕のことを知っていた。


出発する時は、

僕は誰も彼もに別辞を述べた。


僕は人気者だったから、

たくさんの人たちが餞別をくれたし、

お金を持っている人たちからは、

お金をたくさん頂いた。


当時は10歳。

まだ知らない土地に、

自分探しに行くためには、

40シリングもお金があれば、

十分だった。



馬車を雇えるぐらいのお金を貰った。

たんまり貰ったなぁと思った。


僕が言いたい大事なことは、

VS両親との大喧嘩だ。


僕がロンドンへ向かう、

この2年の間は、

何か大切なことを決めるとなると、

僕の両親は僕に相談してくれた。


しかし、

どうして僕の意見を聞くか分からなかったし、

僕がなにか役に立つ忠告ができていたとは気がつかなかった。


ロンドンには独りで行くことになっていた。


ロンドンに着いたら、僕はそこでは独りではなくなるはずだった。


なぜなら、長男のウィリアムは父から仕事を叩き込まれ、

そして兄さんの師弟奉公を勤め上げた上に、

その後、何年かは父さんの元で働いてから、

ロンドンへ行っていたからなんだ。

ウィリアムはすでに20代だったはずだ。


兄さんはロンドンへ向かって、

その時、ハイ・ホーボーン84番地に住んでいた

馬具商レイノルズという人のところで、

1つの地位を固めていた。


僕はその兄に預けられるのであった、

この頃までにレイノルズさんはすでにお亡くなりになって、

僕の兄がレイノルズさんの仕事を継承し、

レイノルズさんの未亡人と結婚していたからだ。

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