従兄弟との酷暑の乗り越え方

しかし、

牧草を収穫するような、

ある暑さのとても酷い日のこと。


暑いにも関わらず、

服をたくさん着込んでいた従兄弟と僕。



家を出て広い野原の方へ向かって歩いていくと、

耐え難きを耐えこむような酷い暑さをますます感じた。


野原には大勢の草を刈る人たちがイキイキと働いてたんだー。

何もしてないのに暑さにへたばっていた僕たちは、

その人たちがいかにも涼しく気持ちよさそうにしているように見えた。


どうしてこんなに暑いのに、

涼しそうにしているのか不思議に思った僕は、


「ねぇ、リチャード!一体どうしてこんなに違って感じるんだろう?あのおじさんたちはあんなにイキイキ働いていて、暑いどころか、むしろ楽しそうだし涼しそうだし、僕たちみたいにヘタれていないのは……。一体全体どうしてなんだろう?ねぇ、ねぇ、1つだけね、ちゃんとあのおじさんたちと一緒に草刈りやってみようよ。何かわかるかもしれないよ。」


リチャードは素直ですぐ同意してくれた。


おそらく僕が9歳の時で、リチャードが8歳の時だったかな。


僕たちは、

あのおじさんたちが、

上着もベストもつけず、

シャツも全開だったのを見た。


僕たちも

同じ格好になった。


どちらも時々入り用だったから、草掻きも熊手も一番軽いのを手に掴み、

鎧のような衣服は脱ぎ捨てて、

リチャードと僕は、

何時間も何時間も野原をあっちにこっちに行った。


そして、

ただふらふらーっとして、

時間をただただ潰していた時より、

ずっとずーっと涼しくなった。


軽装備って、こんなに楽なんだぁ

とこの時思った。



このおじさん半裸事件によって、

あらゆる境遇が

常にいい経験になりたい、

常にいい教育になってほしい

と願うようになった。


ただただ、無意味に時間を使うより、

活発に働いている方が、

はるかにずーっと気持ちがいいことがわかったんだ。


自分たちが新しいものを得たいと考えて行動する方が、

ただただ意味のない時間を過ごすよりよっぽど良かった。

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