いとこのリチャード

学校が長い休みになる時は、

僕は多くの親戚のところを訪ねるということになっていた。



親戚はニュータウンから近所のところに住んでいた農家だった。


それらのうち三軒の親戚だけ覚えてるよ今でも。


ペナースのターナー家

コートのグッドウィン家


それにヴェイナーからケイリーの近くの

オールドホールに引っ越したウィリアム家だ。

ニュータウンをへだてる34マイルの村落にある。


ターナー家とグッドウィン家は、今なんとなく推察するに、

母の姉妹が嫁いた先で、

ウィリアム家は母の兄弟だったんだろう。


当時、存在していた唯一のウィリアム家だ。

僕が頻繁に訪れたのはこのウィリアム家。


当時、そのウィリアム家には、一人っ子で、

その父の名を受け継いだリチャードが存在していた。



リチャードは、最近の若者には珍しい実にいい素質をもち、

その時代としてもまたリチャードのお父さんの住むところが田舎としても、

非常に優れた教育を受けていた。


リチャードはちょっと遠いところの、

寄宿舎のある学校に入っていた。


僕より一つ年下だったけど、

ほとんど何から何まで僕よりリチャードは上の人だった。



リチャードは何をやっても誰よりも

ずっと優れていた。


運動も勉強もできる奴だった。



しかも、別にリチャードは努力をしてないんだ。

リチャードはいつも静かに佇んでいた。


リチャード自身は彼の特殊な才能には気づいていないようだった。


もちろんウィリアム家は前にも言ったけど、

豪農の優秀な家庭だったんだけど、

従兄弟のお母さん、つまり僕から見たおじさんの奥さんは、

その階級の人としては、

類まれ無いいい振る舞いをする女の一人だった。



リチャードのお母さんを知ってる人は、

みんながみんな彼女のことを愛した。


誰もがウィリアム家から結構遠いところにいる人まで、

彼女を知る限りのものは、みんなもてなしを受けたかった。



うちのお母さんのお父さん、

リチャードのお父さんのお父さん、

僕らのおじいちゃんは、

90歳の上まで、

このウィリアム家と一緒に暮らした。


僕の一番小さい思い出の1つは、

息子の家の暖炉の側に座っている

おじいちゃんの姿だ。


従兄弟と僕は、たくさん読書をして、

たくさん考えたものだ。


しかも、僕たちはとても活発的だった。

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