僕といとこには絆があった

僕といとこのリチャードの間には、

力強くて小さい頃からの

それはもう深い深い、目には見えない

とても仲良しで太い絆で結ばれていた。


僕といとことの付き合いの仲で、

僕は清涼飲料水の工場に勤めていた頃、

そのリチャードを招待して、

工場で働いてもらおうと思っていた。

それはそれは、

何回も心の中では思ったんだけど……。


まさか、こんなに早く死ぬとは思わなかった。


彼は、

資格をたくさん持っていた。


特に、"発明"のアビリティを、

異常な才覚を天才的に持っていたんだ。


しかも、

もしリチャードが工場に来たら素晴らしい技術者になっていただろうから、


しかし、

彼には彼の家があり、仕事がすでにあった。


彼は婚約相手と別れさせた両親の財産によって、

すでに独り立ちをしていたし、

両親を自分から引き離すということは、

すべての人間にとって、

とてもとても苦しいことだと考えてね。


けれど、彼は死んでしまったことを、

知り合いから聞いた時、

いとこを自分の協同組合の仕事に

どうして彼を誘わなかったんだろうと、

悔やんで悔やみきれない。


それは僕が24歳、彼が死んだのは23歳の時だった。


僕が年収500ポンド(21世紀初頭の日本で1ポンド=100円として約年収400万円)の

地位を僕はいとこにあげることができたのに。


しかし、現実はそう簡単ではなかった。


彼と僕の境遇のせいで、

それを実現することはできなかった。

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