僕といとこには絆があった
僕といとこのリチャードの間には、
力強くて小さい頃からの
それはもう深い深い、目には見えない
とても仲良しで太い絆で結ばれていた。
僕といとことの付き合いの仲で、
僕は清涼飲料水の工場に勤めていた頃、
そのリチャードを招待して、
工場で働いてもらおうと思っていた。
それはそれは、
何回も心の中では思ったんだけど……。
まさか、こんなに早く死ぬとは思わなかった。
彼は、
資格をたくさん持っていた。
特に、"発明"のアビリティを、
異常な才覚を天才的に持っていたんだ。
しかも、
もしリチャードが工場に来たら素晴らしい技術者になっていただろうから、
しかし、
彼には彼の家があり、仕事がすでにあった。
彼は婚約相手と別れさせた両親の財産によって、
すでに独り立ちをしていたし、
両親を自分から引き離すということは、
すべての人間にとって、
とてもとても苦しいことだと考えてね。
けれど、彼は死んでしまったことを、
知り合いから聞いた時、
いとこを自分の協同組合の仕事に
どうして彼を誘わなかったんだろうと、
悔やんで悔やみきれない。
それは僕が24歳、彼が死んだのは23歳の時だった。
僕が年収500ポンド(21世紀初頭の日本で1ポンド=100円として約年収400万円)の
地位を僕はいとこにあげることができたのに。
しかし、現実はそう簡単ではなかった。
彼と僕の境遇のせいで、
それを実現することはできなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます