ドレイク牧師の私的説教

6歳から8歳ぐらいの頃だったかな。

僕はローのドレイク牧師の家で、

お客さんになった。


牧師さんは、隣の教区の

教区長<<レクター>>か教区牧師<<ヴィッカー>>だったんだ。



その隣の教区というのはは、

この話をする時、

僕がね、字をちゃんと書いてからその発音をさせたり、

また、話させてから文字を書かせたり、

僕のイングランド、スコットランド、

その他の友だちたちとよく頑張った。


教区の名前はこうだ。

それはめんどくさい名前だ。


ランルウハイオイン教区だ。


馴れた人には簡単に発音できるけど、

ウェールズの人名やそれのスペルを知らない人には、

そう簡単な話ではない。


このドレイク牧師は、ドレイク将軍直系の子孫の一人で、

聖職者としてはとても変わった人だった。



ドレイク牧師は、

そのランルウハイオイン教区の大地主<<スクウェア>>と争ったあとの

とある日曜日に、私を教会に連れていった。


そして驚いたことに、

メンバーたちもビックリしたけど、

ドレイク牧師は教会の説法をする中で、

その大地主に対しての個人的な主張を加えたんだよ。


めちゃくちゃプライベートな内容で、

しかもめちゃくちゃ怒っていて、

家族を連れてきて話を聴いていた大地主は、

その大地主のために設置されていた特別席に

居続けることが難しくなって、

説教の途中で席を立とうとした。


その時、

ドレイク牧師は話を一旦やめて、

大地主の方を向かってこう言った。



「お急ぎなさるな。もうすぐ終えます。まぁ、お静かにお座りください。」


この光景は僕にとって深い経験になった。

この記憶はこびりついて今も去らない。


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