6-10 死後硬直→火葬→骨
猫氏が息を引き取った日は私は仕事だったので、いつもの友人に見ててもらうことにしてました
猫氏は友人が大好きだったので、私が看取れなくても友人が看取ってくれればいいかなと
仕事はその日は夜までで、いつ連絡来てもいいようにスマホはこまめに見てたけど、ちょうど18時に見た時、すごい数の着信が入ってました(スマホは常にサイレント設定)
直感的に嫌な予感がして、その連絡かな、と思いました
その連絡でした
夕方一回様子を見た時はまだ呼吸してたけど、その後しばらくしてからまた様子を見に行ったら、もう呼吸が止まってた、という話でした
仕事はちょうどここから人数が少なくなり、夜は私一人しかいません
職場には猫氏がそろそろ……ということは伝えてあったんですが、同じチームのお姉さんが「代わりにいるよ」と言ってくれました
やさしみを感じつつ、その旨を社内にわーっと文章で連絡し、急いで家に戻りました
猫氏は本当に息をしてませんでした
息を引き取ってまだ間もなかったようで、撫でるとまだあったかい
生きてるみたいなのに息をしてないので、ほんとに死んじゃったんだな、と思いました
残ってくれてるお姉さんのためにも早々に仕事に戻らなきゃいけないので、すぐ葬儀屋さんに電話しました
以前何かで猫氏が調子悪かった時に、市内のペット専門の葬儀屋さんを調べたことがあり、大体の目星はつけてました
で、ホワイトデーの後、ほんとにやばいと思ってたので、お願いするならここ! というとこと、金額など詳細をチェックしてました
受付は24時間、でも火葬自体は時間外料金(一万円)があるので、電話で打ち合わせすることにします
以前祖父が亡くなった時、葬儀の日程を調整するのにすぐ火葬できなかったので、真夏の暑い時期だったけどドライアイスを布団の中に入れて遺体を保管したことがあったのを知っています
なので、死んですぐに火葬しなくてもいいだろうと思い、時間外料金がかからないように、という相談をして、翌日の朝八時に引き取ってもらい、火葬してもらって、そのまま骨壷だと大きいみたいなのでプラス五千円で骨をパウダー加工してもらうようお願いしました
おむつしたままだけど、火葬の時に処分してもらえることを確認しました
また、それまでの猫氏の保管方法を聞きました
保冷剤と一緒に箱に入れて蓋してくれれば大丈夫、ということだったので、猫氏がちょうど気に入って入ってた箱の一番下に保冷剤を敷き、そのままだと結露で濡れちゃうのでケージで敷いてたお気に入りのぎゅっぎゅのタオルを敷き、その上に猫氏を入れ、布団代わりにと思って爪切りに使ってたタオルをかけて、蓋をして、開かないようにクラフトテープでとめました
看取ると決めた時に、死んだらどうするかを調べてました
死後硬直は二時間くらいで固まってしまうみたいなので、それまでに書いてあった通りにいつも寝てるような感じにしました
猫氏はもう生きてないので、まだちょっとあたたかいぬいぐるみみたいでした
やわらかかった手触りのまま、力なくくったりして、手足にももう力が入ることはありません
整えて箱に収める行為は、なんだかお別れのための儀式にも思えました
そのダンボール箱を、ケージの猫氏が寝てたところに置いておきました。翌日迎えにくるまでここで安置です
三十分くらいでそれらを終えて、職場に戻りました
元々戻るつもりだったので退勤の準備をしてなかったんだけど、戻るとそのまま退勤になってもいいようにしてくれていました
残ると言ってくれたお姉さんと、私と仕事での付き合いの長い同僚(過去に飼い猫を看取ったことがある)の采配でした。なんてやさしい職場……
同僚は退社時間をすぎても私から連絡が来るか戻って来るまで待っててくれたようで、私が職場に戻って来たのを見届けてからさりげなく帰っていきました
そうして定時まで仕事をして、家に帰りました
ご飯を食べなくなって、インスリンをやめて、そのまま長い間その状態だったら、それはそれで猫氏もつらいと思ってたので、ちょっとだけほっとしたのもあります
ケトアシドーシスで吐くこともなかった
看取ると決めてから終わりを迎えるまでは二日。あっという間の二日間でした
逆に、ご飯とインスリンをやめてたった二日でこときれるほどの状態まで、猫氏は生きていた
それがどういうことなのか、飼い主側の主観で決めるのもどうかと思うけど、本当にギリギリまでうちにいてくれたのかと思うことにしています
調子を崩したホワイトデーから大体一ヶ月
たくさんなでなでできたし、おいしいご飯も食べさせられたし、そのための一ヶ月だったのかもしれないということも。主観だけど
猫氏が息を引き取ったのは四月の二十四日
五月には十六歳になる予定で、その節目はちょうど四年前、平成から令和に変わるタイミングでもあり、猫氏が糖尿病になったタイミングでもありました
偶然すぎて震えました。こんなことってあるんだな
何にしても、今までお疲れさまだったねぇ
日常生活の中の生存確認はたった二日間だったのに、ついつい側を通った時にケージを覗いてしまいました。ケージにはもう箱しか入ってないのにね
翌日朝、職場に電話して午前を休みにしてもらい、火葬から戻ってくるまで待ちました
ご自宅の前で火葬できますよって言われたけど、それもちょっと……w
猫氏を引き取りに来てくれた葬儀屋のおじさんは、普通のおじさんでした
特にこれみよがしにお悔やみの言葉を言ってくることもなく、淡々と引き渡しは終わり、二時間弱くらいで猫氏は帰ってきました
骨袋に入った骨壺は思ってたよりも小さく(さすがパウダー加工)、小さい骨がお守り袋に入ってかかっていました
お守り袋は持ち歩くには予想外にでかかったので(爆)、ずっと骨袋にかけたままです
火葬の費用の中に骨壺や骨袋、お守りはセットになっていて、骨袋はもっとシンプルなものかと思ってたらしっかりいい感じのものでした
人間の火葬では骨を拾う時にここはこういう病気で……って火葬屋さんが説明してくれるそうで、私が経験した中ではそういうことはなかったんだけど、今回のペットの葬儀屋さんでも骨を拾う時に説明してくれたようでした←レビューで見た
私は立ち会わずにおまかせしたので、そういうこともないのか〜と思ってたけど、骨壺を受け取る時にさりげなくおじさんが教えてくれました
「肺に小さな悪性のガンがあったのと、腎臓が弱ってたみたいだね」
わかるんだ……!!
立ち会わなかったから教えてもらえるとは思ってなかったので嬉しかったです。糖尿病以外の治療はしないと決めてたので、病院で他を診てもらうことはしなかったから
息を引き取る直接的な原因は結局わかっていません
ただ言えるのは、どうしてももう駄目だっていう時が来るんだってことがわかったことです
たとえ貯金がめちゃくちゃあったとしても、それをつぎこんで延命させるのはちょっと違うと思ってたので、ここまでを全て自然にまかせてきた感じがしました(この辺はそれぞれ価値観があると思うので、あくまで私は、という話です)
猫氏が息を引き取ったことで、やり残したこともありませんでした
強いて言うなら、やっぱり寂しいものは寂しいな、という事実でした
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