7ー2 お供えと花

火葬が終わり、骨壺と骨袋に入って帰ってきた猫氏を、片付けておいたカラーボックスの上に置きました


葬儀屋さんに引き渡す時も結構小さい箱に収まったけど、こうすると小さいものなんだなと思いました


小さい頃にミルクを皿から飲む練習とか、離乳食を始めた時に使って小さい皿にウェットフードを入れると、皿にフードが張り付いて食べにくそうだったので、ちょっとぎざぎざの模様が入った小皿を買っていました

猫氏が息を引き取る三日前のことでした

大して使わないうちに死んじゃったなと思いましたが、これにお供えのフードを入れようと思い立ちました

皿は本当に小さいので、糖コントロールの餌をいつもの四分の一くらいと、気に入ってたサプリと、お気に入りだった鰹節を少し入れて、元のミルクや離乳食に使ってた皿は水を入れて供えます


ちょっとだけそれっぽくなった



翌日、近所のスーパーに入ってる花屋さんでお供え用の花を買いました

実家の近くに住んでて、私が小さい頃からお世話になってる伯母は花が好きで、何度か切り花を買って持って行ったことがありました

いつか自分用にも切り花を買いたいと思い、小さい花瓶と長持ちさせるでっていう薬っぽいのを買ってたんですが、そんな暇ないまま数年が経ちですよ

思い切ってお供えのために人生で初めて自分のために(猫氏のために?)切り花を買いました


しかし切り花難しい……


普通のはさみで茎を切ったけど、全然切れませんでした

ほんとは猫氏の毛色に合わせてオレンジのガーベラを買おうと思ってたんだけど、ちょうど母の日シーズンでカーネーションの勢力がすごく、ガーベラは売り切れてたのでオレンジのカーネーションを買いました


花は綺麗です

供えるとカラーボックスの上がすごく華やかになりました。花だけに


けどお世話が予想以上に大変だった(甘く見てたとも言う)ので、切り花を供えるのは月命日付近だけにしようと決めました

剪定用のはさみはちゃんと買いました。百均だけど


実家の仏間には庭に咲いてる花が花瓶にぶっこまれてます

あの世話どうやってやってたんだろう……母が花に詳しいので、今度聞いておこう


水を供えてた入れ物も、後日買い換えました

ちょうど猫氏が使ってた水飲みの入れ物と同じデザインの小さいサイズを見つけたのです

タイミングが合うと、人ってなんでも運命にしてしまう


食べ物は手元の糖コントロールがなくなるまではそれを供えようと思います

これは結局二ヶ月くらいもちました

本来なら一ヶ月で一袋食べきってたのに、小分けにするとこんなにもつんだね


余談ですが、猫氏を何度か職場に連れてってたおかげで、職場の女の子とお姉さんからもお供えをいただきました

お姉さんは息を引き取ったと伝えた当日か翌日くらいにちゅーるをくれました。猫氏はちゅーるが大好きだったので、賞味期限を迎えるまではパッケージのまま供えておきます(おちび食べないんだよなぁ)

職場の女の子の方は「お線香を上げに行かせてください!!それがダメならせめてお供え物だけでも!!」と言うことで、「せっかくあげるなら今いるおちびさんでも食べられるものがいいです」と言ってくれたのもあり、「安いのでいいから、おやつのカリカリを」とお願いしました

そしたら次に出勤日がかぶったタイミングで、めちゃくちゃかわいい小さいクッキーみたいなカリカリをいただきました……こんなのあるなんて知らなかった

普段はパッケージのまま供えといて、小袋タイプなので開封する時は猫氏に三粒、残りをおちびの皿に入れています(翌日にはその三粒もおちびの皿に入れられる)


猫氏が息を引き取った翌日、病院にもそのことを伝え、ついでに翌月におちびの診察予約を入れました

鼻炎?と外耳炎?という感じでおちびが通院開始です

点鼻薬や点耳薬を経て、数年悩まされていた症状は両方ともたった二ヶ月で完治しました


その翌日か翌々日、病院からお供えの花が届きました

二階で猫飼ってたおばあちゃんも同じ病院で、猫を亡くした時にお供えの花が届いたと聞いてたので、こういうマニュアルなんだろうなと思いつつ、やっぱりじーんときました

次の日、病院にはお礼の電話をしました


花はどちらも一週間くらい骨壷周りを賑やかにしてくれました

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