6 猫氏、寝ちゃったの?

6-1 ホワイトデーの異変

23年3月14日、その日はホワイトデーでした

猫氏のご飯は今日も糖コントロールです

相変わらず二キロを一ヶ月で食べちゃうので、前の日に病院に電話して、次の通院に間に合うように注文しました

食いつきが悪い時があるので、香りで釣ろうとおちびにやってる銀のスプーンのカリカリをちょっと足し、更に鰹節を少量まぶすという贅沢っぷりで、それがここ数ヶ月のご飯でした

大体それを時間をかけて食べて完食するんだけど、その日、妙な違和感がありました


食べてる時の音が違う……


カリカリだからカリカリ音がして、時々皿に歯が当たるコツンコツンみたいな音が常なのに、なんかその日はそういう音がせず、ぎゅっぎゅ言ってる……


何……?


変だなとは思ったけどご飯は食べてたので、特に気にはしませんでした

でも、次のご飯でも、その次のご飯でもぎゅっぎゅ言ってる……


二~三日後、猫氏がご飯を食べなくなりました

食欲の毛玉のような猫氏が食欲がないというのは珍しく、一食食べない時はあっても、ずっと食べないということはありませんでした

歯をよく見ると、歯茎あたりから血が出てる……ひょっとして食べにくくて食べてないだけ? 食べようとすると痛いから食べられない?

あと、風邪を引くことすらなかった猫氏が、なんだか鼻詰まった感じになってる

それで匂いがわからず、ご飯がご飯とわからなかったのかしら


猫は気分や調子で食べないことはよくあるので、数日様子を見ることにしました

けど、翌日あたりに猫氏をトイレに入れると、おしっこの後、口で呼吸をして立てなくなってたのです

猫の口呼吸は異常事態


何かおかしいぞ、と思ったけど、何がおかしいのかがわかりません

毎日いつも通りのご飯の量、いつも通りのインスリン

翌週に予定してた通院日があったけど、ひとまず急いで猫氏を病院に連れていきました


一通り説明して、久しぶりにあちこち数値を見てもらいました

そしたら、低血糖にはなってたけど、とりあえず臓器等は深刻な状態にはなってない模様

歯茎は歯肉炎でした

脱水症状もあったので、抗生物質と一緒に輸液を点滴。たゆんたゆんになりました。抗生物質は二週間くらい効くという長めのやつを打ってもらいました


体重は、一ヶ月前は三キロを軽く超えてたのに、いつの間にか二キロを切ってました


注文してた糖コントロールは入荷してたけど、もう食べられないかもしれない

けど、回復するかもしれないので、翌週の通院日まで保留にしといてもらいました

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る