6-2 だめかもしれない

なんかふわっと事なきを得て帰ってきた猫氏

何だったのかしらと思いつつ、抗生物質で歯肉炎や鼻詰まりが治るのを待つことに


通院の前日、何も食べられないかと思いつつダメ元でちゅーるをやったらちょっと食べ、猫氏専用の爪とぎ(おちびは何故か絶対使わない)で爪をとぎ、人間の居住区域までちょっと歩いてきてたので、若干安心してはいました


猫氏は調子が悪いと居住区域には来ず、仕切りやドアはないけど隣の部屋のすみっこで寝ることが多いのです

体調は不安定だけど水はすごい飲んでたから、ちょっとは良くなったのかな


けど、衝撃的だったのはその日の深夜でした


猫氏が横たわったまま、頭だけ上げてゆっくりくるくるしてる……


他にも何かしら症状があったはずなんだけど、この光景が衝撃すぎて記憶がありません

呼びかけても、目の前で手を振っても、触っても無反応

ただゆっくり、むしろ体の何かで勝手に動いてるみたいに、ゆっくり回る頭……


こんな猫氏、見たことない


もうだめかもしれない、と思わざるを得ませんでした

昨日はちょっと元気で水も飲んでたのに、もう自分から動かない


猫氏はこのまま死んでしまうんだろう

だったらせめて、最期まで見守っておかないと


くるくるは止んでも不規則な口呼吸、荒くなったり落ち着いたり、素人目にも予断を許さない状況であることがわかりました


それでもその時は息絶えることがなかったので、ひとまず仮眠を取って(朝4時だった)、その日は仕事だったので起きてからちょっと会社に連絡して、午前中だけ休みにしてもらってもっかい病院に連れていきました


猫氏の体温は35度しかなく(普通は38度くらいらしい)、数値はそんなには測らなかったけど、病院側から見ても危ない状態のようでした

もう一度点滴してもらって、入院を勧められたけど猫氏は寂しがり屋だし、入院してる時に息を引き取ったらそれはそれでやるせないので、おうちに連れて帰りました

四年も通ってるので、アシスタントの人も顔なじみの人が何人かいて、寒くないようにと病院の備品とシーツで簡易湯たんぽを作ってくれました

点滴の何かしらの輸液に見えたんだけど…w

人肌よりちょっと温かいくらいにしてくれて「次来た時に返してくれればいいから」ということで、湯たんぽと一緒に帰ったのでした


自力で立って水飲めなくても、嚥下できるならシリンジで飲ませることができます

ロイヤルカナン様の流動食一日分(一二〇〇円)と、シリンジを一つ買って、家で飲ませてみることにしました


流動食はほんとに水みたいな状態で、色的にはちょっと茶色に濁った牛乳のようです(言い方)

シリンジは五ミリ口径で、流動食の口(ゴム製)に刺す→引っくり返して吸い上げる→きゅぽんと抜くと塞がってるという神仕様

200CC入ってて、一食100Cという計算でした


病院で砂糖水をシリンジで猫氏にやってるのを見てたので、真似してやってみます

口の横からぴゅって入れる


飲んだ!ヾ(*´∀`*)ノ


自分では飲めなくても、シリンジでやると飲めるようでした

シリンジが一度に5CCしか入らず、繰り返すうちに猫氏も疲れちゃうようだったので、飲む量は一食30CCくらいになる代わりに、数日保ちました(おいおい)


ただ流石にこの流動食を買い続けるのは経済的な負担がやばいわけです

探してみると、近所のスーパーのキャットフードコーナーに猫用の介護食があり、シリンジでやれると書いてあり、ペースト状だったのでそれを使うことにしました


実際はシリンジでやるにはとろとろすぎるので、水で大分薄めることになったんだけど(;´∀`)


二キロを切った猫氏の背骨は、今までで一番ごつごつしていました

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