6-9 猫氏、起きなくなる

通院キャンセルの電話をした翌日、本来は通院日だったけど、動物病院に行ってきました


借りたまま返し忘れてた湯たんぽを返し、使ってたインスリンを返却して、使用済みの注射針の破棄と、未使用が数本残ってたのでこれも返却に行きました


受付のお姉さんも初めての通院の時からずっといる人で、猫氏の様子を伝えると涙ぐんでいました

おうちで茶トラを飼ってるそうで、他人事とは思えなかったそうです


大分待たされて(いつも混んでるので)獣医師さんからお呼びがかかり、詳しく様子を聞きたいというのでさっきと同じような話をしました

獣医師さんからは「点滴は猫にとって負担にはならないから、必要と思ったらいつでも来て」とのことでした

まあ病院としてはそういう対応になるだろうなぁ

お気持ちはいただくことにしました

インスリンは一度開封してるので、病院で破棄してもらうことになりました

未使用分の注射針は返金してくれました

帰り間際、さっき涙ぐんでくれた受付のお姉さんが入り口まで送ってくれて、「もしかしたら奇跡が起こるかもしれないから、何かあったら来て下さい」と言ってくれたので「その時は速攻インスリン買い直しに来ます」と言って笑 帰りました


四年間の通院では、待合室で順番を待っている間、他の犬猫の診察の様子が聞こえてくることもありました

入院してる犬猫に面会にくる飼い主、点滴を打ちに通う飼い主、手術するかどうか決断を迫られる飼い主

私と同じアパートの二階に住んでたおばあちゃんも以前飼猫を腎臓病で亡くしたんですが、最後まで点滴に通ってたそうな(猫のために働いてるって言ってた)

生かすかどうかの選択に迷った時どうしようって思ってたので、そうさせなかった猫氏にはある意味感謝してます



こうなる少し前に殺傷力の高い爪は既に切ってあったので、服やカーペットに引っかかる心配はありません

最後に爪を切った時、猫氏はもう抵抗しなかったので、タオルをかぶせることもありませんでした



帰って、看取る準備をしました

おむつはつけたまま、吐いた時にすぐ片付けられるよう、顔の下にシーツを、体の下にいつもぎゅっぎゅに使ってるタオルを敷きました

猫氏の体温が下がった時に湯たんぽを作ってもらったのを思い出したので、湯たんぽはずっと作ってました

頭の下に湯たんぽを置いて、シーツを敷いて、寒い時期だったので上から爪切りに使ってたタオルをかけました


数時間後、猫氏はタオルから抜け出してました


動けるの?? こんなに寒いのに暑いの?? ていうかいつ動いたの?? と疑問ばかりでしたが、その後ついったのフォロワさんから、死に際の猫は暑がることと、自然に体温が下がってた方が苦しまずに息を引き取れることを教えてもらい、急いで湯たんぽを撤去しました(;´∀`)


この方、繋がって長い方なんだけど、めちゃくちゃ多い相互数の中でよく私のこのツイート見つけてくれたなと思いました(猫氏が湯たんぽから抜け出したツイートあたりに返信してくれた)

それに、命の瀬戸際のこういう時に話しかけるってすごい勇気いると思うんですよね……感謝しかない(˘ω˘)


猫氏はずっと静かにしてて、相変わらず目を開けたまままったりしてる感じで、時々ちょっと手足が動くのも変わりませんでした

でも、だんだん動かなくなってきました


いつも通り隣の部屋のケージに入れて、その部屋の電気は消しておいて、でも居間の明かりが入るので仕切りで遮っておく

ちょっと立ったついでに見に行って、猫氏が呼吸してるかどうかを確かめる

日常生活の行動の端々で、猫氏の生死を確かめる

お腹がゆっくり動いてれば、まだ呼吸はしてる



猫氏がそのまま息を引き取ったのは、翌日の夕方すぎでした

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