5 猫氏、糖尿病になる
5-1 静かな異変
四キロ弱くらいの体重だった猫氏は、多分オス猫の中でも普通サイズか、小柄な方だったんじゃないかと思います(他のオスを知らないのでわからない)
手術をすると食欲がやばいことになって、飼い主がコントロールしないと丸くなる……とは聞いてたけど、そういうこともなかったです
普段から接していると変化に気付きやすいと猫飼いのハウツーにはありますが、まさかうちにそんな事件が起こるなんて思ってなかったので、何も気にしたことはありませんでした
わんこが病気になったり、体の不調があったり……というのは、まあ毎日散歩してるし、やんちゃな子が多いのもあるんだろうなと思ってたものです
当時は猫の死因が大体腎臓系とか、その腎臓系は一度病むと治らないということも大して知りませんでした
時間の経過をすぐ忘れてしまう私でも、猫氏がいつ糖尿病になったか、というのはよく覚えています
何故ならちょうど平成から令和にかわる、4月→5月のタイミングだったからです
それまで体調が悪いといえばちょっとお腹を下すくらいだった猫氏が、深夜に突然吐きました
しかも、一度吐いてもまた数時間後にまた吐く
お腹にはもう何も入ってないので、ひたすら胃液を吐いているような感じでした
間隔を測ってみると、3時間ごとに吐いてるようでした
全く心当たりがなかったので病院に連れて行きたかったけど、私は車の免許を持ってないので自転車か徒歩しか交通手段がありません
キャリーバッグはあるけど、動物病院は徒歩15分くらいとはいえ、いつ吐くかわからない猫を入れて運べるのか
悩んだ末、市内の実家に相談し、父に車を出してもらいました(助手席には母もいて、大体両親はセットで行動することが多いです)
余裕のない頭の中で覚えている会話は、両親がまだ結婚する前、母が飼ってた猫が調子を崩した時に、父が車を出して動物病院に運んだことがあったそうです
「まさか娘にまでなんて、こういうのはめぐりめぐってくるのかしらね~ww」なんて母が言ってたのを覚えています。すまん父よ……
母の物言いはこんな時にいささか不謹慎に見えますが、これはこういう血筋なので全く問題なく、いつも通りです
吐いても大丈夫なように後部座席にペットシーツを重ねて敷いて、その上に猫氏を横たえる
猫氏は目は開いてるけど何も反応しなくて、ただそこに横になって呼吸してるだけでした
昨日まで普通だったのに、もう死んじゃうかもしれない
思いもしなかったことが突然やってきて動揺しつつ、病院に行きました
昨日まで普通、と思ってたけど、実は異変に気付かなかっただけでした
というのを動物病院で知ることになります
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