5-3 インスリン注射

一晩経ち、病院へ猫氏を迎えに行きました


猫氏は点滴され、皮膚がたゆんたゆんになっていました

猫とうさぎは首根っこをつかんでも痛くないといいますが、その部分に輸液を点滴することによって脱水症状を和らげたりできるんだそうな

適当なところから点滴され、輸液は重力と共に下へ下がり、足のところの皮膚がたゆんたゆんでした

猫は敏捷性を保つのにこういう仕様になってるんだっけ? 体が柔らかいのもこのおかげだったかな?(宛にならない記憶)


猫氏のおめめはぱっちりしていました。何だか元気そうです

前の日はあんなにぐったりして焦点も合わず、もうだめかと思ったのでめちゃくちゃホッとしました

同時に猫氏の生命力に驚かされました

ケトアシドーシスで治療の甲斐なく死んでしまう猫もいるそうなので、まさかの奇跡の復活でした

というわけで、このまま家につれて帰ることにしたのでした(入院費も怖かったからね……)


さて、ここからインスリンとの戦いです


高血糖→ケトアシドーシスになるので、まあそんなにすぐまた末期症状になることはないんだけど、血糖値を安定させるためにインスリンの注射が必要になります


体内でインスリンが作れなくなって高血糖になるので、それを注射で補ってやるというわけです

検索で引っかかったら困るので薬の名前は伏せるけど、注射してから6時間くらいしてから12時間くらい効き続ける、まったりしたインスリンを打つことになりました

これなら一日二回打つだけで済みます


しかしこの一日二回打つのも結構大変で、私の仕事はシフト制で早番も遅番もあるので、12時間ごとに打たなきゃいけないこと自体が既に無理ゲーでした(爆)


朝九時くらい(といいつつ早番の日は八時くらい)と、夜九時くらい(といいつつ遅番の日は二十三時くらい)に打ってました。この辺が人間の限界です


そしてこの注射を飼い主が打ちます

それまで注射器なんて持ったこともなかったのでさすがに不安でしたが、やってみると意外に簡単です


0 瓶をゆっくり上下にひっくり返して、中身を均等にする

1 薬の瓶の蓋を消毒する(ゴムになってるので、針を通して抜けばまたすぐ密封状態になる)

2 蓋のゴムに注射針を刺し、指定された量を吸い上げる

3 実際に打つところ(猫の首根っこ)を脱脂綿で消毒する(脱脂綿は病院から業務用を買うので、普通に買うより超お得)

4 ぶすっと刺して注入(角度を間違えると針が曲がる)

5 普通に抜いて完了


たったの6ステップです

首根っこは針が刺さっても猫は気付かない(すげえな)のと、注射針は世界で一番細い動物用の針(以来、自分の健康診断の採血の注射針の太さにちょっとビビるようになる)のおかげで、刺して抜いても血が出ないのです

幸い私は先端恐怖症でもなく、自分の採血の時も注射針ガン見できる方なので、注射はらくらくでした

余談ですが、注射針ガン見できるって珍しいのか、自分の採血の時にたまに看護師さんに「平気なんですね(;´∀`)」って言われます(ついでに一度の採血で何CC採るのか聞いた私)

ただ、MRIで手の甲の血管に造影剤入れる用の注射針刺しっぱになるやつはちょっと怖かったです。そんなとこに刺したままテープで針と管固定しちゃうんだ……←挙げ句、管の元にくっついてる注射器を同じ側の手に持たされる


以降、このインスリン注射を4年続けることになります

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