第1章 第3話 〜幼神は、目的を作る!?〜

「こっちだよ…。」


 ルミンが、案内してくれたのは…

呻き声しか聞こえないテントの前だ。


 嫌な予感しかしないが…意を決して中に入った。

すると、中の様子は…地獄絵図だった。


 それは、何故かって…? 理由は簡単だ。


 なぜなら、人が苦しみながらも骨化して死んでいるからだ。


「ルミン…何があった?」


 と、言うと…目を背けながら言った。


「ここに、最悪の魔竜王…オルターガイスト・ドラゴンが来たの。


それを討伐しようとした人達がこうなった。

だから、新規冒険者さんはお断りしてるの。」


 ……なるほどな〜。そういう事か。

ならば、話が早い。


「オルターガイスト・ドラゴンは、今何処にいる?」


 と、言うと言葉を出さずに指をさした。

指をさした方向へと見ると…なんと…

魔王城らしきものがあった。


「あそこか。」


 もしかしたら、倒す方法以外にも治す力があるかもしれない。


 まぁ、スキルや能力で完全回復はするが…

また、骨化する事は見えている。


 こいつらには、"運命魔法"と言うのが付与されている。


 回復して、逃げようが…どっちにしろ

戦うだろう。そして、また骨化させられる。

その繰り返しだ。


 ならば! 目的は1つだよな!!


 俺は、神の羽を生やして行こうとした。

すると、足に何かしらの負担が掛かっていた。

俺はその負担になっているのを見た。


 すると…


「っ…!!!!」


 そう。ルミンが俺の足を掴んで、一緒に行こうとしていた。


「あの〜。ルミン?

危ないからさ、降ろすから降りた方が…」


 と、言うと怒鳴りながら言った。


「アイザックが、行くなら私も連れて行って!

アイザックが骨になる姿は見たくない!!!」


 その怒鳴ってる声と言い、

言葉と言い…俺の事を本当に、大切なんだなと思った。


 出会って数時間も立たないのに…な。


「分かったよ。じゃ、待ってて」


 俺は、幼女の姿からドラゴンに変えた。

だが、変えた瞬間…掴むものがなかった為

ルミンは急激に落下しそうになっていた。


 それをドラゴンのスピードでキャッチして、


「それじゃ、行くから手を離さないでね!」


「え…?」


 俺は、かっ飛ばしながら行く。


 そして、数分も経たずに…魔王城に着いた。

ルミンは目がグルグルになっていた。

ルミンが復活するまでの間、

どうやって、入ろうかを考えていた。


 すると…扉が勝手に開いた。


「なるほどな。来れるなら来てみろってか。

開いたなら好都合。」


 俺とルミンは、瞬間移動して…魔竜王の所まで行く。


「待ちわびたぞ……。

って、あれ? 来るの早くない!?」


 ……知らねぇよ!? 俺は忙しいんじゃ!!

そっちの都合なんて知るかよ?!


「ゴホン! まぁ、気にしないでくれ!」


「……あっ、はい。」


 と、言った後に…魔竜王は自己紹介をする。


「うわぁッハッハ!」


 ……あ、微妙に悪役になれてない感の笑い方だ。


「私の名前は、魔竜王 オルターガイスト・ドラゴン! 貴様を地獄に…」


「くどいくどい!」


「……え?」


「え…? じゃねぇよ!!

ルミンがなぁ〜!

気絶してるからこの素出せるけどさ!

あんた、悪役似合わなすぎて笑えるんだけど?

それにさ、もっと他の挨拶出来ないわけ?!

それでも、魔王の竜かよ!」


 などと、ダメ出しを幾つも出した。

すると…。


「うわぁぁぁぁぁぁ〜ん!!」


 ……泣かせてしまいました。

どうやら、仲間を探していたら…冒険者ギルド達に敵視されて、勝てると見込んで威張りたかったようです。この子…。


 正直に、言っていい?

馬鹿なの? 頭、お花畑なの?

それとも、脳みそ無いの?!

この子には! なぁ!

誰か、助けてくれ!

この馬鹿な魔竜王を!


「ん? あ! そうだ!

お前、なんて言う名前なんだ〜?」


「ハァ…アイザック・マリア=エリック。」


 と、言うと魔竜王のオルターガイストは、

竜から人化して…更に、目を輝かした状態で…意味不明な言葉を言う。


「そうか! じゃ、マリア!」


 まて、マリアって俺を呼んだ奴、何処にもいねぇぞ!?


 エリックかアイザックだぞ!?


 まぁ、いいか。


「なんだ?」


 と、言うと…期待を込めたような声色で、俺の腕を掴み…感触の無いペチャのパイの胸を強調しながら、言われた。


「お前の部下になってやるぞ!

感謝せい!!」


 と、言われた俺は…


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあーー!?」


 って、なるのだった。

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