第3章 第35話 〜幼神と第七王女のメイドさんの正体……?〜

「おはようございます。お嬢様……?」


 俺は、グゥーグゥーといびきをかきながら寝ていた。


「なんて……可愛らしい……!! 写真を撮って……。」


 ……パシャって音が鳴り響いた。


「もう……我慢出来ません……!! キスぐらいしても良いですよね……。」


 俺は危機察知のおかげか……すんなりと飛び起きた。

 まだ、寝足りないのは本音だが……何故か、危機を察した。


「あ、おはようございます。お嬢様……。」


 あ、なんだ……グランさんか……。驚かせるなよ……。


「おはよ……。今日の予定は……? 確か、学院休みだよね?」


「はい、その通りでございます。学院自体はお休みなのですが……。」


「んん……?」


 俺は、自分の予定を全て……聞いた。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁあーー!? 今から……? 冒険者ギルドに登録して……? ダンジョンに向かうだと!?」


 あの馬鹿な王様はなんと言う考えをしたら……そういう事になるんだ!?


「大丈夫です。お嬢様がダメでも……このわたくしめが……本気を出します。」


 ━━━━━━あ、あれで本気じゃなかったんだ……。

 本気のグランさんも気になるなぁ……。

 って言うか、そもそもグランさんが何者なのかも知らないしなぁ〜。気になるなぁ……。


「ちなみに、私の冒険者ランクは……SSSです。」


 ━━━━━━━━すげぇ……。

 見事なまでに圧巻である。


「さて、着きました……。ここが、冒険者ギルドです。」


「なるほどなぁ……。」


 ……俺はギルドの中に入った。


「さて、この子に冒険者の証を。」


 そう言うと……受付の人は……。


「かしこまりました〜!! では、審査させていただきます。こちらにある水晶に手を翳してもらいます。それでステータスが浮かび上がります。」


 あぁ……隠す事が出来ないんですね。分かりましたよ。


「ほいっと……。」


 すると……ギルド内で、虹色に更に金と銀の光が合わさったような光り方になり……その光に耐えきれなくなったのか……水晶は割れてしまった……が、俺のステータスが表示される。


「えぇっと……。は……? はぁぁぁぁぁぁーー!?」


 ギルドの外からも聞こえるぐらいの声量で叫んでいた。


「これは、Sランクをも凌駕する……まさに、神ランクですよ!! いやぁ……伝説だと思っていました。まさか、こんなステータスを持っていたなんて!!」


「神ランクだと……!? お嬢ちゃん!! 俺たちと冒険しないか?! 良ければ……将来を誓い合……。」


「俺だ!! 俺が誘うんだ!!」


「いいや、俺だね!!」


「あ、あはははは……。」


 ━━━━━━その瞬間、一瞬の出来事だったが……周りの冒険者たちは……全員、蹲っていた。


 だが、俺は見てしまった……。その一部始終を……。


 発言してた奴らの股間を剣の鞘で思いっきし……フルスイングしていた……。


 怖い……俺の専属のメイドさん……怖い……。


「残念ですが……。この子は、私と組むので……。」


「なんだと……!? てめぇは、冒険者ランクいくつだァ〜??」


 すると……受付の人は言う。


「その人……。SSSランクの"界滅王"ですよ……?」


 そう言うと……周りの人たちは……。


「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇえーー!?」


 と、叫んでいたのだった……。


 まぁ、しかし……グランさんの生き様が気になるから後で……聞いてみるとしますかね……。


 ━━━━━━と、そう呑気にギルドの名物……抹茶風味の紅茶を嗜むのであった……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る