第1章 第6話 〜レティシアの過去とこの先…〜

 ━━━━━━━ルミンが泣いた日の夜。俺は、幼女には戻れずに……そのまま、レティシアの姿で……ルミンを抱いて寝かせている。


 あんな態度だったのに……

 それでも、好きだったんだな。


 ━━━━━━なんか、眠くなってきた。そして、いつの間にか……俺は夢の中に入った。


 そして……夢の中に入ると……真っ白い部屋の中で、黒い椅子に……"ある人物"が、座っていた。

 

 そして、その"ある人物"が振り向いて声が聞こえて、確信した。


「どう? 妹の様子は?」


 と、言われた俺は……アイザックとは、かけ離れた言葉で言う。


「……お前、生きてたのか?」


 驚きすぎて、幼女の口調に出来なかった。


「ブッブー! 実際は、死んでますぅ〜!

それよりも、アイザック君……言葉……悪?!」


 と、言われて……我に返って言う。


「生きてたのですか? レティシアさん?」


 と、訂正したが……既に遅しだった。

 俺の前世を覗かれてしまった。


「へぇ〜。元は、男の子だったんだ〜。しかも、転生者! 憧れるねぇ〜! しかも、今の時代って……マッチングアプリ? だっけ? あるのに、使わないぼっちのゲーマー!?  ……すごいね〜!」


 何故、そんなに易々と……見れるんだろうか?

 後、遠回しにdisってないか!?

 と、思ったら……心を読まれてレティシアに、言われてしまった。


「私の覚醒スキル……記刻之神アーカーシャの特能で……心が読めたり、記憶を覗いたり……もしかしたら、思考を書き換えられるんだよ〜!」


 ふむふむ……なるほどな……? それは使えるな……。


 などと、考えてると……レティシアは過去の話をした。


「……私ってね。元は……召喚者だったんだよ。それも、日本人だった。」


 ━━━━衝撃の事実を聞かされた。

あまりにも、衝撃すぎて……言葉にできなかった。


「それも……戦争の真っ只中で、私……外国人の玩具にされそうだった。奴隷の印を付ける為に皮膚に火傷させて……ね。その時に……もうダメだなって思ったの……。だけど、その時に召喚されたの。この後に、何故……召喚されたかを聞いたの……そしたらね、子供が産めにくい体質らしくて……最終手段で、私を召喚してくれたんだって。」


 ……俺は更に衝撃な事実を、聞くことしか出来なかった。


「ごめん。なんて返していいか分からない。」


 と、言うと……「だろうね」と、レティシアは言った。


「私からすれば、お父さんとお母さんは……命の恩人だよ……?」


「そりゃ、そうだろうな。」


 と、言うと……レティシアは、服を脱ぎ始めた。


「なぁ!? ……何してる!?」


 俺は、羽織を着させて隠した。


「せめて、私の"初めて"を奪って欲しいな〜って。」


 と、レティシアは……マジな顔で、言った。


「分かった……と、言いたい所だが……残念ながら……俺はチキンでな? やる気はねぇよ。来世に期待しておけ……。」


 と、言うと……ん? 何言ってるの? みたいな顔をした。


「何言ってるの? これから、アイザックくん兼……信長くんの裏人格になるんだよ?」


「……はぁ? マジで言ってんの……?」


 と、言うと真剣な顔で言った。


「マジだよ? お父さんとお母さんが……生まれてきた妹が心配だから……私は、のぶ君の裏人格になると決まったんだよ? それに、この世の知識とか……行動とかを見なきゃいけないし、助けなきゃ行けないからね……!」


 ━━━━━━だろうな……。

 まぁ、それは……それでありがたい。


「だからね! ユニークスキル『記刻之神アーカーシャ』で、サポート面は……いつでも行けるから、安心してね! だから、いくらでも頼ってね!」


「あ、あぁ……分かった。」


「じゃ、よろしくね! ダーリン♡」


 と、夢の中なのに……胸の感触と人肌の暖かさを感じるのを体験しながら言う。


「……やぁ、やめろぉぉぉぉー!!!!」


 ━━━━━━━と……。

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