第2.5章 第33話 〜エピローグ 幼神のこの先は?〜

「あの〜……。」


「はい……? あ、貴女は!!」


 ━━━━━━━そう……この人は前に影の勇者の候補を探していて俺が魔王になるから、解除をし……だいぶ能力を削った人だった。


 その人が何の用だろうか……?


「あの……お願いがありまして……。」


「は、はぁ……?」


「影の勇者として帰って来れませんかね……?」


「魔王になってますが……それでもいいですか?」


 ━━━━━━━お姉さんは渋い顔をしていた。すると、シルヴィアがそこにやってくる。


「クルミ先生……。もう白状したらどうですか?」


 へぇ……この人、クルミって言う名前なんだ……。


「そうですね……。白状します……。」


 そうして、クルミさんは白状した。


「影の勇者とは……元々、最古の魔王が暇すぎて……勇者の力がどれ程の物なのかを偵察するために影の勇者として使っていた立ち位置なんです。」


「なるほどなぁ……。」


「ですので、帰ってきてください!! お願いします!!」


「私からもお願いします!!」


 すると、シルヴィアまでも頭を下げてきた。

 でも、まぁ……シルヴィアからもお願いされてるし……仕方がないな……。


「いいですよ。受けます……。」


「…………!! ありがとうございます!!」


 そして、また俺は影の勇者へと返り咲くことが出来たのだった。


【ステータスが更新されました。追加したステータスを見ますか?】


 ━━━━━━━━一応……YES……。


〜ステータス〜

固有魔術【呼吸魔術】


⓪基本中の基本


呼吸制御:呼吸の速度とリズムを自在に操り、瞬時に加速・減速可能。最終的には光速を超え、理すらも超越する速さに到達する。更には、息を長時間止めることも可能で、更には息を止めると急停止も可能。それにより、敵の時間感覚を操作することで、相手を混乱させる。


①森羅万象と全知全能


絶対掌握:全ての現象を無詠唱で操作・消去。例えば、敵の攻撃を無効化し、存在そのものを消し去ることも可能。あらゆる物質・エネルギーを自在に変換・創造できる。


〜アカシック・コード〜

基本特性

進化理論:使用することで、固有魔術が無限に進化し続ける。使うたびに新しい能力が追加され、過去の全ての戦闘データを解析し、敵の弱点を即座に見つけ出す。


効果


・黒い蝶と毒:蝶は二つの効果を持っており、

一つ目は黒い蝶の自動効果で、因果律を操作し、全ての攻撃を無効化する。しかも、幻覚操作も含まれ、相手は自分の攻撃が全て当たらないように惑わせている。

二つ目は、相手が黒い蝶を触れたり近づいたりすると、気づかないうちに致死毒が仕込まれ、数回で即死。毒の効果は累積し、対策不能。


・黒いスライム:使用者の意思で蝶がスライムに変化。スライムは対象を捕食する事も、瞬時に剣や盾に変化可能。物理的・魔法的な攻撃を全て防ぎ、逆に斬り裂くこともできる。


・黒い冰:絶対零度の氷で周囲の空気を瞬時に凍結させ、対象や場所を完全に凍結。氷の中で自由に動け、瞬時に解除可能。更には、黒い冰剣を作る事も可能。もっと言うと、自身を氷結させることで、無敵状態になる。


ただし、デメリットとして使用する度に血が鼻や口から出てくるリスクあるコードである。


〜終わり〜


 あぁ……懐かしいなぁ〜!! こんな能力あったっけぇ〜?? て、ないわ!! 強化されてるやんけ!! ボケ!!


『ん?? あぁ、僕が強化しておいたよ。』


 ユウキぃ……。君って奴は〜!!


『ふふーん!! 褒めてくれたまえ!!』


 大馬鹿者がァァァァァァァァァーーー!!


『なんでぇぇぇぇぇぇぇぇえーー!?』


 いや、なんでって……デメリット以外進化してどうすんの!? チートにさせないで!? 頼むから!?


 すると……ヨグさんは言う。


『あ、そのデメリットだが……種族スキル 虚無で相手にデメリットを押し付けることも可能だぞ?』


 ━━━━━━━はぁ……。初めて知ったよ……その事実……。


 やばい……頭痛が痛い……じゃなくて、頭痛がする。

 誰か……助けて……。


「とりあえず、影の勇者で使った……あの訓練所に行ってみるかぁ〜。」


 そうして、俺は……訓練所に行ってみた……。

 外見も内装のあんまり変わってなかった……。唯一、変わっていたとしたら……。


「ん……? こんな所に扉ってあったっけ……?」


 そう……何故か、見知らぬ扉があった。好奇心が強い俺は……ワクワクしてしまって無言でその扉を開けてしまった……。すると……。


「こ……ここは……。俺の部屋……!?」


 そう……。前世の時に暮らしていた部屋だった。


「………………。」


 寝息を立てている人は……俺の母さんだ。

 名前は、安枝凪 陽葵だ。


「ん……んん……??」


 あ、起きてしまう……。何処かに隠れないと……!!

 俺がアタフタをしていたら……。


「え……? 信長……くん……?」


「━━━━━━━━━え……??」


 なんで?? 俺今……幼女の姿だよな?? なんで……分かった……?


「信長くん……だよね……?」


 そう言われて言い訳を言わずに……俺は素直に言う。


「あ、えぇっと……ただいま……"義母さん"……。」


 ━━━━━━━と、そう言う俺だった……。


 こうして、信長ことヘルフリートは新たな物語へと進む。

 影の勇者の時に使っていた訓練所に突如あった扉に入ると……そこは元の世界だった!? 一体、元の世界へと戻された意味……そして、異世界はどうなるのか? 異世界と元の世界の仕組みどうなのか……。その結末は、次の章へと進む第一歩なのであった。

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