第2.5章 第29話 〜幼神は、吸血鬼の力を獲得する!?〜

 そして俺は、またまた雑貨屋に来ていた。


「んー。あれからやっぱり、更新されてないか〜。」


 ここは、ある意味……闇だから更新されてるんだろうなって思っていたんだが……。


 ━━━━━━━━期待通りじゃないな……。


『た、たすけて……。たす……けて……。』


 …………ん? 助けて……? 俺はある本を見ていた。


「こいつ、見たことないぞ?」


 すると……店主は言う。


「おう、そいつは……新入りでな? どうやら、吸血姫が神の領域まで達したらしくてな? それで危険だと判断し、封印したらしく……それを俺が闇取引で回収したんだ。どうせ、お前さんしか扱えないだろうしな。」


「へぇ〜。なるほどね……?」


『助けて……。私……外に……出たい……。』


 仕方ない……出してやりますか……。


「店主よ、これ買うよ。いくらぐらい?」


「そうだな。安く済んだから、100ゴルドでいいよ。」


 うん、相変らず、安いな……

 まぁ、ありがたいけどね!!


「はいよ。いつもオマケしてくれるから……1000ゴルドだ。」


「毎度。また来てくれよ。」


「はいよ〜!!」


 って事で、次に向かったのは……人気のない山だった。


「さて……始めますかね!!」


 俺は、吸血姫の魔導書に手をかざし……詠唱を唱え始める……。


 すると……。


「……………………。出れたの……?」


「おぉ……。」


 ヨグさんとユウキさんと負けないぐらいスタイルいいな。この人……。


「出してくれてありがとうございます。我が主様……。」


「━━━━━━━━へ……?」


 我が主……? 誰のことぉ〜?


「創世神 ヘルフリート様です。」


「あ、はい……それで? 吸血姫さんは……」


「エミリア=ルードウェルです。」


「あ、、はい……。エミリアさんは、何故……封印を……?」


「わたくしは、強欲で傲慢な人間が大っ嫌いでした。ですので、街を一つ崩壊させました。」


 うん……そりゃ、封印されるよねぇ〜。


「ですけど、主様が助けてくださいました。主様の命令ならなんでも受け入れます。襲われろって命令するなら……いくらでも……」


 そう言って服を脱ごうとするエミリアさん……。


「ちょい待ったァァァァァァーー!!」


「はい……? なんでしょうか?」


「命令するから……服脱ぐな?」


 すると、しょぼくれながら……


「分かりました……。」


 と、そう言う……

 いや、一応言うが……今の俺……女だぞ?


【ですが、創邪神になるとショタで男になれますけどね】


 おーい、、そこ?? ツッコむなぁ〜?


「ゴホン……。じゃ、あれだ……。私にエミリアさんの力をくれないだろうか?」


「…………え?? それだけでいいのですか……?」


 うん、それだけでいいんだよ〜??

 何に期待してたん……?? 逆に……。


「うん。それだけだよ。」


「では、その代わりに契約を……。」


「あ、、うん。いいよ。」


 そうして、契約する俺とエミリアさん。そして、ステータスの通知がなり……新しく魔法を覚えたのだが……。


「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇえーー!?」


〜ステータス〜

『神拘束制御式 血魔法』


説明

禁忌の中の禁忌で、神々さえ恐れる神魔法。

そして、これは吸血鬼の始祖しか持たない魔法。


効果一覧

効果1

己の血が有る限り、時間の制約を超越し、

あらゆる形態や存在に変化することができる。

そして、使用者は宇宙そのものになる。


効果2

体外にある血を無限の範囲で自在に操ることができる。

血液は物理法則を超越し、あらゆる物質やエネルギーに変換可能。


効果3

使用者の血を飲んだ者は全ての傷病が完治し、不死の肉体と無限の魔力を得る。さらに、飲んだ者は使用者の忠実な僕となる。


効果4

これを習得した者は神性の吸血鬼となり、

昼夜を問わず無限の力を発揮できる。

太陽光など、従来の吸血鬼の弱点は一切影響しない。


効果5

これを習得した者は比類なき身体能力と神の全知全能を得る。吸血することで相手の力と記憶を完全に吸収し、自らの眷属とするか、使用者の命のストックにできる。


・半開放:ストックされた命の者を自由に召喚し、使役することができる。召喚された者は使用者の意志で操作可能。


・全開放:これまでにストックされた全ての命を解放し、敵を生き地獄の様に呑み込む。解放された命は独立した存在として戦い、使用者の命のストックを無限に増やす。


効果6

血を使うことで、あらゆるものを創造することができる。

生物、無生物、概念さえも具現化可能。死んだ者を復活させる際には、その者の記憶や能力を完全に再現し、さらに強化することができる。


効果7

この魔法を習得した者は、他者の血を媒介として、時間や空間を自在に操ることができる。過去・未来への干渉、異次元への移動も思いのまま。


効果8

使用者の意志で血液を介したあらゆる呪い・祝福を与えることができる。呪いは対象を永遠に苦しめ、祝福は神の力を授ける。


効果9

血の契約を交わした者に対し、無限の忠誠と絶対的な服従を強制できる。契約を破った者は存在そのものが抹消される。


効果10

血魔法の行使により、使用者は世界の真理と円環を超越し、宇宙の法則を再構築することができる。これにより、新たな世界や宇宙を創造することも可能。


〜終わり〜


 ━━━━━━そりゃ、封印されるよ……エミリアさん……。


『気のせいですよ。わたくしの力は弱いです。』


 これのどこが弱いの!? …………教えて!? ねぇ、誰か教えて!?


『まぁ、僕も弱い分類だしね。』


 おーい、ユウキさーん? あんたも強いよ? 強すぎるよ〜?


『じゃ、私も弱い。』


 ヨグさん……あんたも強いわ。


【主ぃ……いつになったら我を使ってくれるんだ!?】


 ━━━━━━━━うるさい……。龍覇王の使う時がない!!


【主様……私とイチャコラしませんか……?】


 あの、アービスさん……?? 隙をついてイチャコラしようとすんな??


『ずるいぞ!! 僕だってしたい!!』


 あぁ……ほら、始まった!!


『では、わたくしも……♡』


 え……。エミリアさんまで……もう終わった……おしまいだァァァァー!!


 こういう時のヨグさん。


『諦めろーー。私もイチャコラしたいから。』


 今、俺の脳内で[チーン]と言う音が鳴った。

 これは、俺の何かが終了のお知らせだった……。


 つまり、ゲームで言う……トゥルーエンドである。ハッピーでもバッドでもない。更には、どちらにも落ちる可能性があるエンド……。


 そして、更には……。


「影から……こんにちは〜!!

マスタァー!! 構って〜!!」


 ルシファーが……影からこんにちはして……獣人化して、俺の頬を舐める。それを見たエミリアさんやユウキたちは……俺の脳内で発狂をする……。


 誠にうるさくてたまんない。


「はぁぁぁぁぁぁあ…………。

色々と大変だな……。

頑張れよ……この先の俺……。」


 と、一人でクソデカため息を吐き、誰も聞こえない声でポツンと語る俺であった……。


〜おまけ〜


「あれが……。これから……務める我が主様……。幼く、可愛いのに……どこかしら……かっこよくて……そして……あの聖と邪が含まれたオーラ……。たまんない……たまんないですぅ……。あの子を絶対に……私を必要とさせる為に……教育調教をしないと……ですね……♡ うふ……うふふふふふふふふ………。」


 俺は、謎の恐怖のあまり震えていた。


「風邪でも引いたかなぁ……?? でも、なんか違う気がするが……。まぁ、いいかぁ!!」


 そうして、俺は魔王学院に帰るのであった……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る