学校ですが何か?
月曜日に雪音の家に行った日から数日が経ち、木曜日となった。
今日は私の方から雪音に仕掛けると決めていた日で、私は朝から雪音がどんな反応をしてくれるのか楽しみで上機嫌だった。
ただ、実際に行動に移すのはお昼の時なので、それまでは我慢しなければならない。
今日は登校時間ギリギリではなく、いつも通り少し早い時間に教室に来たため、まだ雪音は教室に来ていなかった。なので、私は彼女が来るのを待つことにした。
それから少しすると雪音が登校してきたので、私は彼女に近づき挨拶をする。
「おはよ、雪音」
「あ、六華!おはよう!」
月曜日に雪音の家に行って以降、最近の彼女は何故か子犬のように私に会うと元気に接してくれるようになった。
(尻尾があったら間違いなくすごい速さで振ってそう…。今度チョーカーでも買ってあげようかな)
そんな事を考えながら、私はさらに雪音に近づき彼女の耳に口を寄せると、そのまま小声で話しかける。
「お昼休みが始まったら時間を貰える?少しだけ二人きりになりたいの」
私がそう言って顔を離すと、雪音は頬を赤く染めながら蕩けた顔で私を見てくる。
「ぅん。わかったぁ」
雪音が了承してくれたので、私はお昼休みを楽しみにしながら自分の席へと戻った。
そして迎えたお昼休み。いつもなら莉緒と一緒にお昼を買いに行くのだが、今日は雪音との約束があるので、一緒に買いに行くことはできない。
「莉緒。悪いんだけど私のお昼も何でも良いから買ってきてもらえる?お金は後で渡すから」
「それは別に構わないけどよ、何かあんのか?」
「ふふ。あれ…」
私がそう言いながら後ろの方に目をやると、莉緒も追ってそちらの方を見る。
すると、いかにも何かありますよと言わんばかりに、私の方をチラチラと伺ってくる可愛い可愛い雪音がいた。
「あぁ、なるほど。ほどほどにしとけよ」
それだけで用事が何なのかを察した莉緒は、そう言うと一人でお昼を買いに向かった。
私はもう一度雪音の方を見て教室を出る事を合図する。
そして、教室から少し離れた場所で待っていると、小走りで雪音が私のもとに近づいてきた。
「待たせてごめん。みんなに説明するの時間かかっちゃって…」
「大丈夫だよ。それじゃ、行こうか」
「うん!」
雪音が元気に返事をしてくれたので、私たちはさっそく移動することにした。
そうしてやって来たのは、以前雪音に連れてこられた空き教室だ。
雪音が入ったのを確認し、私は教室の鍵をかけて雪音と向き合うと、彼女の手首を掴んで机の並んだ方へと連れていく。
そして、机の上に雪音を座らせると、私は彼女を挟み込むようにして両手をついた。
「六華。何かあった?」
「ふふ。何もないよ。今日も雪音は可愛いね」
私が耳元でそう囁くだけで、雪音は顔を赤くしながら身震いする。その反応が本当に愛らしくて、さらにいじめてあげたくなる。
「可愛いね雪音。大好きだよ、愛してる。これから先もずっと雪音のことだけを愛してるからね」
「わ、わたしも。わたしも六華だけを愛してるからぁ」
雪音はもはや呂律が回らないのか、言葉がふにゃふにゃになりながらも愛していると言ってくれた。
私はその事が嬉しくて、彼女にキスをしながら並んだ机に押し倒す。
その後もお互いに愛を求め合うように舌を絡めあい、しばらくの間キスを楽しんで唇を離すと、私と雪音の間で透明な糸が繋がる。
「あぁ、可愛い。本当に可愛いよ雪音」
私はそう言うと、今度は彼女の首筋にキスをして、左手で太ももを優しく撫でる。
「んっ。くすぐったいよ、六華。キスマーク、そこに付けちゃダメだからね」
「大丈夫。今日は別なところに付けるから」
私は一度体を起こすと、雪音のお腹あたりに移動して制服を捲る。
雪音の肌がとても綺麗だったのでずっと見ていたくなるが、それだけじゃもはや我慢できないので、私は彼女のお腹にキスをする。
舌を這わせたり甘噛みをしたり、ヘソに舌を入れてみたりもする。
「あっ、ダメ六華!なんか変な感じする…。んっ!」
たまに聞こえてくる雪音の甘い声が、さらに私を興奮させる。
そして、そのままお腹にキスマークをつけた後、今度は太ももにキスをしてキスマーク付けていく。
雪音の綺麗な肌に痕をたくさん付けることで、私という存在を彼女に刻み込むことができているのだと思うと、この上ない幸福感で満たされる。
「り、りっかぁ。それ以上はもぉ…」
雪音のその言葉を聞いた私は、顔を上げて彼女の方を見てみる。
すると、誰にも見せてはいけないような顔をした雪音が、瞳を潤ませながら私のことを見ていた。
その表情を見た私は耐えきれなくなり、また彼女の唇にキスをする。
無理やり彼女の口に舌を入れたあと、これまで以上に舌を動かして蹂躙する。
「あっ、ふぅ…んちゅっ…ま、まって…くちゅ、りっ、か…」
雪音が何かを言っていた気がするが、今の私にはそれを気にする余裕がない。その後も強引にキスを続けた後、少し冷静になれた私はゆっくりと顔を離して彼女の様子を伺う。
すると、雪音は私の制服を強く握りながら少しだけ涙を流していた。
「ごめんね雪音。辛かった?」
私は彼女の涙を優しく拭いながらそう尋ねる。
「はぁ、はぁ。だ、大丈夫…だけど、今度からは、私の話…聞いてね…」
お互いに落ち着いた頃、最後に触れるだけの軽いキスをする。そして、雪音は机から降りると制服や髪を整えていく。
「もぉ、ここ学校なのに…」
「バレなきゃ大丈夫だよ。それに…」
私はそこで一旦言葉を区切ると、雪音の耳にまた顔を寄せて囁きかける。
「雪音も嬉しかったでしょ?」
「そ、それは、嬉しかったけど…」
雪音はそう言うと、顔を赤くしながら俯く。そんな雪音をずっと眺めていたいが、そろそろ戻らないとお昼休みが無くなるので、私たちは教室に戻ることにした。
教室に戻って時計を確認すると、休み時間も残り15分ほどになっており、私たちは急いで自分たちの席に向かった。
「ごめん、莉緒。待たせたね」
「別にいいよ。私はもう食べ終わったし。それと六華のは机に置いといたから早く食べな」
「ありがと、いくらだった」
「520円」
「…はい、600円。おつりはいいよ」
私は莉緒にお金を返した後、急いで買ってきてもらったパンなどを食べていく。
その間、チラッと雪音の方を見ると、彼女もいつもより早いペースでお弁当を食べていた。
何とか時間内にお昼を食べ終えた私に、莉緒は先ほどまでのことについて訪ねてきた。
「で、私に一人でお昼を買いに行かせた六華さんはどうだったんですかね?」
「それはもう最高だったよ。雪音のあの蕩けきった表情とかすごくたまらなかった。
あの表情は例え莉緒でも見せてあげられないね」
「別に見せてもらわなくてもいいけどさ。なら、そろそろ計画とやらは終わりにするのか?」
「そこなんだよね。どうしようか少しだけ悩んでる」
確かに最近の雪音は、計画を実行する前と後ですごく変わった。
嫉妬してくれるようになったし、私への独占欲もかなり高くなった。
そして何より、私に対して情欲をもってくれるようになったのが大きいだろう。
「うーん。もう少し様子見かな」
「ん?なんで?」
「焦らされている時の雪音が可愛いから」
「はぁ…。お前はほんとに歪んでるな…」
「自分でもそう思うよ。でも、私の好きな人が私のことしか考えられず、私が与える快楽に溺れていくその瞬間を見ているのはたまらなく好きなんだよね…」
私はそんなことを言いながら、私欲にまみれた視線を雪音の方に向ける。
すると、私が見ていること気づいたのか、雪音が私の方を見て視線を合わせてくる。
(あぁ、私の可愛い雪音。もっともっと愛してあげるからね。そして一生私から離れられない様にしてあげる…)
そんな醜いことを考えているなど悟られないよう、私はいつものように優しく彼女に微笑んで感情を隠すのであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
よければこちらの作品もよろしくお願いします。
『距離感がバグってる同居人はときどき訛る。』
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