概要
介護タクシー会社に勤務する芹沢千晶(せりざわちあき)は、ある日、客の送迎中に後続車からあおり運転を受ける。
黒く巨大な車は獰猛な獣のように荒々しく、車間を詰めて圧迫感を与えつつ、千晶の車を追い立て続けた。
千晶は助手席に認知症を患った老人を乗せたまま、次第に不安と恐怖を抱き始める。
何が目的? 何が気に入らないの? ハンドルを握る手に汗がにじむ。
思い返す過去のトラブル、忘れていたかつての記憶、殺人鬼の噂話、ストーカーの被害……。
これは、ただの嫌がらせじゃない!
暴走する『走る凶気』が背後に迫る。踏み込むアクセルに力が入る。助手席の老人が騒ぎ出し、千晶は命の危機に直面する。
そして明かされた真実は、全く予想外の恐怖だった……。
ノンストップ・ドライブ・サスペンス!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!走るのは凶器か?狂気か?展開から目が離せないサスペンス・ホラー
認知症の老人を乗せた介護タクシーの女性ドライバーが謎の黒い車に高速道路をあおり運転され続けるお話。
――黒い車を運転するのは誰か?
話が展開されていく中で、さらに予想外の展開もされるのが、秀逸でした。
作者さまの作品、2作目を読ませていただきました。
前作『屍介護』がとてもおもしろかったので、そうそう越えられることはないんじゃないかなと思っていたのですが、その期待は裏切られ、本当におもしろい作品でした。
すでに書籍化されていますが、映画化もされたらいいのに、と。
KADOKAWAさまにはお願いしたいレベルでおもしろかったです!
みなさまに、おすすめです。 - ★★★ Excellent!!!忘れたい過去と、危険な現在から逃げ切れるか。
芹沢千晶は、介護タクシーの運転手。介護施設「紀豊園」から目的地の墓地への送迎を頼まれた彼女は、認知症者の龍崎を乗せて走り出すが、横暴な運転で迫ってくる一台の黒い車が全てを狂わせる。
その車を操るのは、幽霊か、それとも……。
車内で流れるラジオや、かかってくる電話をきっかけに、点と点が徐々に線となっていく千晶の過去と現在。果たして彼女は、「時々幽霊に支配される」老人と共に逃げ切れるのか。
若い女性と高齢者のタッグが新鮮で、読み応えがあります。時系列の転換が多い中、繋ぎが極めて自然なのも見事です。
ラストがどうなるか、楽しみにしています! - ★★★ Excellent!!!女主人公の介護ドライバーに忍び寄る影
30話以上読んでからのレビューです。
今作は、冒頭からいきなり不気味なイメージから始まります。
仕事中に突然のあおり運転を受けた女主人公は、恐怖の原因が過去の出来事にあるのかと疑念を生じさせるのですが…。
あおり運転という、昨今話題の迷惑犯罪行為をテーマに描かれたホラー兼スリラーでもある作品です。
リアルな状況を演出するのに長けた作者さまが、これでもかとばかりに恐怖をあおって私たち読者を物語世界に引き込みます。
読者は、主人公の過去からこの事件の真相を探ろうとしますが、暗雲立ちこめる状況に終始ハラハラでした。
メインストーリーは、運転を不安がる介護利用者の老人との会話から、周辺の登場人…続きを読む