忘れたい過去と、危険な現在から逃げ切れるか。

芹沢千晶は、介護タクシーの運転手。介護施設「紀豊園」から目的地の墓地への送迎を頼まれた彼女は、認知症者の龍崎を乗せて走り出すが、横暴な運転で迫ってくる一台の黒い車が全てを狂わせる。
その車を操るのは、幽霊か、それとも……。

車内で流れるラジオや、かかってくる電話をきっかけに、点と点が徐々に線となっていく千晶の過去と現在。果たして彼女は、「時々幽霊に支配される」老人と共に逃げ切れるのか。

若い女性と高齢者のタッグが新鮮で、読み応えがあります。時系列の転換が多い中、繋ぎが極めて自然なのも見事です。
ラストがどうなるか、楽しみにしています!

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