類い稀なる内圧ゆえの緊迫の場面の連鎖が貴方をあおる

 本作の特徴は、その作り込まれた場面であろう。そうした場面は、良質な海外ドラマなどで良く見られる。これらは、その撮影に莫大な金を投じることになるので、事前にどういった場面を撮るかというのは詳細に作り込むことになる。

 小説というのは、ある程度、文章の勢いなり流れなりで読ませることができるので、必ずしもこれが必要な訳ではない。にもかかわらず、これだけ作り込むということは、作者の有する類い稀なる内圧のゆえであろう。

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