第42話 準決勝対策
トーナメント前の練習場。
「というわけで、叶恵には超反応力を持つ者の奥義『相対突き』と『後ジャン』を覚えてもらうけど、そうなると途中から相手は射撃戦に持ち込んでくるだろう」
「そしたらアメリアの時みたく、相手の弾切れを待つのね?」
「うんにゃ、あれはトリガーハッピーなアメリアだからできた作戦だ。まっとうな選手なら弾幕が当たらない時点で必中狙撃に変える」
「そんなぁ、じゃあどうすりゃいいってーのよ!」
「お前の狙撃距離を伸ばす。あと武器は銃剣は銃剣でも電離分子小銃じゃなくて電磁投射小銃な」
「どうして電磁投射小銃なのよ?」
「叶恵さ、物理兵器とプラズマ兵器の違い解ってるか?」
「も、もちろんよ、馬鹿にしないで。えーっと、確か高周波ブレードは攻撃力が刃に
しか無いけど剣術で威力が上がる。電離分子剣は触れればいいだけだから全方位に攻撃力があるけど威力は出力頼み。あとエネルギー消費量は電離分子剣のほうが多いわね」
「じゃあ銃は?」
「電離分子小銃は、重力の影響受けないプラズマ弾だから弾道が真っ直ぐだけど水中だと威力が極端に下がるし連射性も低い。電磁投射小銃は連射性が高くて重いから水中でも進んで行くわね。威力はプラズマ弾に負けるけど……相手を怯ませられる?」
「正解♪」
俺は思わず両手の親指を立ててしまう。
「威力の電離分子小銃、連射性の電磁投射小銃。でも電離分子小銃は威力はあっても質量が低いから相手を吹っ飛ばすことが難しい。今回は相手をイラつかせて接近戦に持ち込むのが目的だからな。ガツンガツン音を立てながらぶつけて足やら腕やら額やらをぶっ飛ばして精神的に追い詰めるんだ」
というわけで、俺は叶恵に刀身のついた電磁投射小銃を手渡す。
「武器選択は解るんだけど、なんで狙撃距離を伸ばす特訓をするの?」
「そりゃあ、お前が超反応力の持ち主だからだよ」
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