第38話 押し倒される主人公
「アサラ、ワタシの事をどう思いマスカ!?」
「はぃい!?」
「OH わかりにくいデスカ? 日本人はシャイだと聞いていマス。ではアサラ、ワタシの質問に一つずつ答えて欲しいデス。OK?」
俺は必死に頷いた。
なんだろう、元からアメリアはセクシーで大人びているけど、今はレベルが違う。
本当に、物凄くエロい。
少しでも気を緩めると俺の理性が切れてしまいそうだ。
事実、この状況から逃げようにも腰の骨がトロけて動かない。
「アサラ、ワタシは美人デスカ?」
「も、もちろんだよ!」
「ANM じゃあワタシのカラダ……セクシーデスカ?」
「YES‼‼」
「うれしいデスネ……アサラは、ワタシに女性としての魅力、感じるデスカ?」
「と、当然だろ。そりゃアメリアくらい美人でセクシーな女の子に魅力を感じない男なんてゲイとロリと熟女マニアと貧乳好きだけだ!」
「結構多いデスネ……」
アメリアの顔が、しょぼんと眉尻を下げて残念がる。
「で、でも俺はゲイでもロリでも熟女マニアでもないよ!」
「貧乳は?」
「貧乳は……いやでも大きさで判断するなんて失礼だと思うし……言えないけど、でも巨乳嫌いなんて事は絶対無い!」
言い切ると、アメリアの頬の赤みが強くなる。今では耳も少し朱色がかっている。
「フフ、アサラは可愛いデスネ……でも、そんなところも好きデス。アサラ、アナタはワタシのことは好きデスカ?」
「それは……とうぜん」
「女性として」
俺は言葉を吞みこんだ。
友達として好きだ、というのは通じないらしい。
「アサラ、ワタシはこのトーナメントで優勝しマス。そうしたら……」
次の言葉が出てこない。
アメリアは俺をジッと見据えたまま視線を動かさない。
「やっぱり……ダメデス」
「え? おわ!?」
四つん這いになっていたアメリアが体を下ろして、俺と密着する。
俺の胸板でアメリアの爆乳が押し潰れて、弾力が押し返してくる。
日本人にはない、白人ならではの豊満ボディの成せる技だろうか。
その程良い低反発力に理性をもぎとられそうになる俺の視線の先、アメリアの肩と背中の延長上に、大きく豊かな尻たぶがあった。
「~~~~っっ」
思わず昨日見た叶恵のお尻と比べてしまう。
二人とも見事な美尻だが、ボリュームのせいでアメリアのほうがエロティックでセクシーではある。でも叶恵のお尻のほうは神がかったサイズバランスと引き締まっているせいか程良く大きいのに、可愛いらしさも感じる。セクシーとキュートを共存させた奇跡の、って俺は何考えているんだよ。
いよいよ理性の鎖が千切れそうになったその時、耳元でアメリアは囁く。
「デートして……クダサイ……」
「…………え?」
アメリアの声とは思えない、最期の力を絞り出すような声だった。
「そのデートでアサラをワタシのトリコにしてみせマス。アサラの方からワタシを求めるようにしてみせマス……ダカラ、アサラを幸せにするチャンスが欲しいデスネ……」
「…………」
俺は彼女を抱きしめ返そうとして、でもそうすれば暴走してしまいそうで、俺は息を吞み耐えた。
「ああ、じゃあアメリア。もしもお前がこの大会で優勝したら、デート一回な?」
「アサラ……かぷ」
「ほぁ!?」
「あむあむデース」
左耳を甘噛みされて、俺の全身に電流が走った。
アメリアが顔を上げ俺と視線を交える。そこには艶然とした笑みは無く、とても可愛らしい年相応の、キュートな笑顔があった。
「フフ、アサラ。ワタシがアサラを幸せにしてあげるデスネ♪」
言って、強引にキスを……頬にしてきた。
俺がかわして頬にではなく、アメリアが最初から頬に唇を押し当てて来たのだ。
なのに、アメリアの顔がさらに赤くなっている。
耳や首筋まで赤く染め上げて、アメリアらしくない、余裕が無く羞恥に耐える顔だった。
「と、ところでデスネ、アサラ。一つスモールなお願いがあるデス。その、目をつむっててもらえるデスカ?」
「え? どうして急に?」
さっきは俺に、大切な肌をスベテ見せたのに、どうして?
「じ、実はデスネ。ワタシ、ボーイに裸見せたの初めてで……最初はだいじょうぶだと思ったデスガ……~~。これ思ったより恥ずかしいデスヨ~~……」
「っで、ええ!? そうなの!?」
アメリアは小さく、こくん、と頷いた。
「あうぅ……アサラに、全部見られてしまったデス……」
ふぉあっ! な、なんだ今の表情は!? 魂ごともっていかれる。アメリアってこんな可愛かったか!?
「とにかく、体を離したら見えてしまうので、ワタシがいいと言うまで目をつむってて欲しいデスヨ」
「お、おうわかった……」
俺は堅く目を閉じる。体から、アメリアの肉感的な体が離れた。
きっと今はベッドから離れて服を着ているところだろう。
…………
おかしい、衣擦れの音も立ち去る音もしない。
まだベッドの上にいるのか?
それになんだろう、何か顔に気配を感じる。
見えないが、間近に何かが迫っているというか、目の間に何かある気がする。
空気越しに人肌のぬくもりが伝わってくる。
「ま、まだ目を開けちゃダメデスヨ! 今見たらキライになるデス!」
あれ? アメリアの声が上から聞こえるぞ?
「わかってるって、約束は守るさ、ふんっ」
俺が鼻息を吹いた途端、
「ぃひゃん!」
頭上から謎の悲鳴が聞こえた。
「どうしたアメリア! 何かあっむぐ……」
顔を上げると、何かが俺の顔全体を覆った。
ソレはつるつるのすべすべで、底無しにやわらかくて、信じれらないくらい気持ち良かった。俺の顔の凹凸に沿ってぴっちり覆うものだから、口で息を吸おうとするが空気が入ってこない。
「ァアアアァアあアァァああァあああンッッ❤」
「むぐーむぐぐー」
どうした、何か凄い悲鳴だぞ、今何がどうなってる!? 目ぇ開けちゃダメか!?
「も、もおダメデェエエエエエス!」
俺の顔を包んでいたモノが離れた直後、床への着地音がして、足音が遠のいていく。
「……なん、だったんだ?」
目を開けて周囲を見ると、やはり誰もいない。
でも鼻を塞がれていた時は解らなかったが、何故か俺自身の顔からどんな香水とも違う、不思議な良い香りがした。
電撃オンラインにインタビューを載せてもらいました。
https://dengekionline.com/articles/127533/
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