第14話 生徒会長
夜、学園の宿直室に泊っている俺は、軍用LLGの衛生通信で月の日本軍基地にいる戦友と話していた。
「そうか、そっちが変わりなくてよかったよ、俺? ああ、俺は今女子校でコーチしてる」
『なんでそんな事になってるのさ!』
『SOUND ONLY』表示の画面からは可愛い声がするが、相手の晶は男だ。ただ小柄で細身で色白で、声が高いのを気にしている。
俺が晶に事のあらましを話すと、向こうからは溜息が返って来る。
『パンツを見た後ろめたさから軍神、リヴァイアサン、日本のリーサルウエポンと呼ばれた君が女子校のMMBコーチか、世も末だね……でもね朝更、僕としては君がそのままでもいいと思っているよ』
「どういう意味だ?」
『君は未成年で、義務教育課程すら果たしていない。いや、中学課程は免除されたから、国防学園付属中学生の君は、正式に申請すれば国防学園に復学できるだろう。君はもう十分に戦った。二週間前は本当に死ぬ所だった。僕は、もう君を見ていられないんだ』
「…………ありがとうな、でも…………叶恵と約束したんだ」
◆
同じ頃、生徒会室、生徒会長席に座る幼女は投影画面を見て板チョコを噛み割った。
「ふふん、どうやら全クラスの代表が決まったようだね、じゃあそろそろ」
机の上に飛び乗って、幼女は自信たっぷりに平らな胸を張る。
「この生徒会長、小野寺心見様の出番だね♪」
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