第56話 エピローグ


 関西、某学園。


 学内の有力選手五人と同時に戦い、ついに一撃も受けることなく倒してのけた少女は、LLGのメールを見て満面の笑みを浮かべた。


「国防学園付属高校代表は藤林叶恵……待っとったよ叶恵」


 胸の横に垂らした長い横髪を指でなでながら、少女は叶恵との思い出を懐かしむ。


「はは、レッドフォレストまで来いや叶恵。ウチが遊んだるわ♪」


 昨年度西日本代表・レッドフォレスト杯出場者・西宮(にしみや)継(つぐ)美(み)。



   ◆



 とある日曜日の深夜、俺はさる高級ホテルの一室に呼ばれていた。


 相手は名のある企業の御令嬢で、俺に重要な話があるらしい。


 部屋のカギは開いていて、開けると中は薄暗かった。


 けれど、夜景に照らされた彼女の姿は確認できる。


 まだ一八歳なのに、大人顔負けの美貌と色香を漂わせる彼女は、露出の多いパーティードレスに身を包み、テーブルの椅子に腰かけていた。


「お待ちしておりましたわ、どうぞ、桐生様」


 促されるままに俺は向かいの椅子に座る。


 その時、突然部屋に別の人間が駆けこんで来た。


「何してるのよお姉ちゃん!」


「おー強姦魔、また俺を狙いに来たか?」


 出入り口に立っていたのは、学園のトイレで顔を合わせた児玉陽菜だった。


「うっさい変態! って、それよりお姉ちゃん、これは一体」



「ああ、やっぱり瑠奈さんて陽菜の姉なんですね。同じ児玉って苗字だし予想はしていました」


 瑠奈は艶然と笑う。


「ええ、陽菜、あなたもいるならちょうどいいわ。桐生朝更さん、わたくしの要求を単刀直入に申し上げますわ」


 瑠奈の、黒真珠のような瞳が俺を捉えて、怪しく誘う。


「貴方には、わたくしの妹、児玉陽菜のコーチになって欲しいのです」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 10年前に第一巻想定で書いたもので、とりあえずここまでです。

 幼稚園の頃に任天堂のスーパーメトロイドでサムスアランに魅せられてからずっとパワードスーツヒロイン好きなのですが、ラノベ市場でもパワードスーツヒロインブーム来ないかなぁ、と思う今日このごろ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 本作を楽しんで頂けた人は私がMF文庫Jで書いた

【忘却の軍神と装甲戦姫】

 をオススメします。


 また、カクヨムに投稿した

【借金返済のためにフルダイブゲームを最速クリア】

【兵站裁判・補給物資を手に入れるのは俺だ!】

 もオススメします。

 この二作と本作と【最強の格闘技は何だ!?】に出てくる桐生さんは全員血縁者です。そう思いながら読むと面白さが変わるかもしれません。

 というかむしろ、鏡銀鉢作品は基本的に世界を共有するつもりで書いています。

 舞台が地球と異世界だと流石に別世界ですが、地球が舞台なら同じ世界の気持ちで書くことが多いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

パワードスーツ女子高で最強少年兵がコーチをする 鏡銀鉢 @kagamiginpachi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ