愛の言葉に傾く天秤

※義肢の技術があるので、悲壮感はないですが、受けの左腕と左脚を欠損する表現があります。

あらすじ

前編（エリーアス視点）：
　医学技術の進んだ国、バルテン国は、その技術を狙われて長く戦争の中にあった。大陸に広がる疫病の特効薬が開発されれば、それを交渉材料に戦争は終わると誰もが確信していた。
　特効薬開発をしていた研究医のエリーアスは、特効薬が出来上がる前に前線の軍医として徴兵される。
　前線で部隊を率いていたのは、２２歳の若く美しいギルベルトだった。
　ギルベルトは幼少期に母を亡くして以来、兄弟たちや親に蔑ろにされて、自分の価値を見失っている。
　成り行きでエリーアスはギルベルトに抱かれるようになる。
　体だけの関係と割り切っているはずなのに、ギルベルトの時折見せる幼さや危うさにエリーア…続きを読む