★★★ Excellent!!!
こたつ部。足を踏み入れれば開かれる、暖かくて新しい世界 あたし黒髪のようにとけそうな気がする
こたつでぬくぬくすることを目的とした部活にまつわる一冬のラブコメです。
フフッと笑えて、愛らしさに心を解きほぐされて、素晴らしい物語です。
冬北高校に連綿と受け継がれてきた「こたつ部」。部員は当代部長の熱騎(あつき)君と後輩のぬくもちゃんの二人きり。だからと言って、寂しいことはありません。二人がお喋りしたり、しなかったり、熱騎君がぬくもちゃんに蹴られたり。二人の日常は平穏ながらも楽しくて、『ああ~俺もこんな高校生活が送りて~』のレベルは99、カンストです。それだけじゃありません。冬北高校には、こたつ部を筆頭とした不思議で面白い存在――〝七十七不思議〟――が山ほどあって、突然彼らを訪ねてきたりします。更にはメチャメチャキャラの立った卒業生や、新入部員なんかもやってきて、本作を明るく元気に盛り立てています。そんな風に穏やかだったり、賑やかだったりと、メリハリついて面白い本作。とんでもなく勢いのあるギャグから、変でシュールだけどほっこり落ち着くような可笑しみまで色とりどりに取り揃えて、笑えること、笑えること。
また、同時に部員達の人間ドラマとしても逸品。ヒロインであるぬくもちゃんは、人見知りで他人が苦手。熱騎君とか心を開いた相手には結構グイグイ接することができるけど、クラスメイトとか知らない人とは難しい。熱騎君はそんな彼女を受け入れて、その上で先輩として何ができるか考えている。先輩…
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