生き生きとした西成の描写が魅力的です。あの頃の西成の姿が脳裏に浮かぶ素晴らしい作品でした。
興味があって調べたことこそあれど、足を踏み入れたことはなかった西成。読めば当時の西成に行ったかのような気分になれること間違いなし。いくら何でも、中学生の時から西成に遊びに行くのは度胸ありすぎです☆
淡い郷愁が印象的な語り口のエッセイ。地下的なものが、どんどんと綺麗になっていく昨今。治安は良くなって、住みやすくもなったんだろうけれど、失われてしまうものもあるよね……、と読み終わったらちょっと切なくなってしまいました。
主人公の目線で語られる西城には、変に飾った言葉やオーバーな表現はない。いつの間にか、自分の心は西城に立っている錯覚に見舞われた。無論、悪い意味ではないよ。途中自分たちはここにいては人間なんだとあるが、恐らくは自分もそういう人種であろう。間違いなくね。それでも、西城に行ってみたいなと思わせる雰囲気がとてもいいんだよね。その気持が、この作品に高評価をつけた理由かな。
まるで異世界の裏路地に迷いこんだ様な小説でした。
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