最終話西成について
大阪の人でも多くの人々が西成は危険なところと思っている人が多い。しかし西成区は広く、閑静な住宅街も存在する。普通の生活をしている人々も多い。最近西成に大きな変化が有ると友人から聞いた。早速僕は西成に向かった。天下茶屋から北へ向かう。するとカフェがある。入ってみた。ごくごく普通のカフェだった。ただしやはり客が選ばれるのか選ぶのか客も身ぎれいな人が多い。暑い日だったので冷コーを頼んだ。冷コーと言うのはアイスコーヒーを意味している。関西でしか通用しない言葉だと言う。でも僕は冷コーと言う言葉が好きなので使う。強めの冷房で汗が冷えて心地良い。小一時間ほど時間を潰して北へ向かう。やはり西成は西成で、あいりん地区まで進むとそれなりの風景となる。しかし作業服の、異臭を放つおじさんなどは居なくなっていて、なんと女の子がグループで歩いているのだ。これには驚いた。最近の若い子は怖くないのであろうか?僕は慣れてしまったが女の子は一体何を目的にこんな場所に来たのだろうか?とてもホルモン焼きを食べに来たのでは無いようだ。僕は思い切って声を掛けてみた。すると女の子たちが揃って
「面白そうだったから」
と言うのである。なるほど、時代は変わったのだ。こうしてどんどん若い人がやって来て、それに伴って店も綺麗なものになって行くのだろう。友人曰く、家賃が安いため、新規参入がしやすくなったのだと言う。僕はホルモン焼きで一杯飲んで帰った。もう道端に人が転がっていた時代は終わったのだ。次に西成を訪れるのはいつになるかわからないが僕も懲りずに西成へ来るだろう。いつもの光景を期待しながら。
ぼくと西成 ミツル @petorarca
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